◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 京セラDでは試合中、オリックスの選手が打席やマウンドへ向かう際、電光掲示板に「今シーズンの目標・公約」という項目が表示される。野手は「打率3割」、投手なら「200投球回」など、それぞれの選手が高いノルマを設定。

その中で、25年限りで現役を引退した福田周平さん(33)は「大活躍」というシンプルな言葉を掲げていた。

 「具体的な目標は設定しないのですか?」。25年のシーズン中、失礼を承知の上で質問すると、こんな答えが返ってきた。「目標を立てるということは、自分で自分の限界を想像している。限界を決めず、自分でも想像できないようなプレーがしたい」。もちろん、自らへの「宿題」として高い数字を定め、それをクリアするのも素晴らしいこと。その中で、福田さんは「自身の想像を超える」野球人生を歩んできた。

 明大から社会人・NTT東日本を経て、17年のドラフト3位で内野手として入団。21年に外野へ転向すると、22年には「入団時には全く想像していなかった」という外野手部門でゴールデン・グラブ賞に輝き、連覇に貢献した。そんな成長過程にあったのは、自らが限界を超えていくことへの実感。「こんな球を打ち返すことができたのか」「こんな打球に追いつくこともできたのか」―。自分自身の可能性に「目標」という蓋をしなかったからこそ、光を手に入れることができたのだ。

 「だから、それくらいでいいんじゃない?」。大活躍の3文字には意図があった。167センチの体で常に自分の中の最高を求め、必死に食らいついた8年間。第二の人生でも「大活躍」している姿が目に浮かぶ。(オリックス担当・南部 俊太)

 ◆南部 俊太(なんぶ・しゅんた)2024年入社。26年の目標は草野球で「ホームラン」。

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