巨人で2軍投手コーチなどを務め、2024年のDeNA日本一ではコーチングアドバイザーとしてチームを支えた小谷正勝氏(80)が、昨年11月から末期がんで横浜市内のホスピスで闘病していることが4日、分かった。このたび出版される自著でも病魔と向き合う心境を告白、球界随一の名伯楽と評された選手育成術や球界への提言とともにつづり、明らかにしている。

 小谷氏は巨人で通算10年間、主に2軍で投手コーチを務めた。巨人の内海哲也1軍投手コーチや、山口鉄也2軍投手チーフコーチをはじめ、数々の投手を育成。横浜(現DeNA)、ヤクルト、ロッテの計4球団でコーチを務め、佐々木主浩、斎藤隆、五十嵐亮太ら、のちのメジャーリーガーに加え、三浦大輔や石川雅規、今季から広島1軍投手コーチに就任した石井弘寿ら球界を代表するエースやストッパーを育て上げ、その育成手腕は“小谷マジック”とまで言われた。

 2019年に胃と大腸にがんが見つかり、治療に専念するために巨人を退団。その後、一度は回復して22年から横浜にコーチングアドバイザーとして復帰。教え子だった当時の三浦監督をサポートし、24年の26年ぶり日本一を下支えした。

 同年10月に2度目のがんを肺などに発症し、ステージ4と診断され、退団して自宅で免疫治療などを続けてきた。昨年10月には緊急搬送され一時は症状が悪化して危険な状況になったが、危機を脱して安定した同11月に横浜市内のホスピスに転院、現在も懸命に治療を続けている。

 小谷氏は闘病の合間に、伸べ56年にも及ぶ球界での回顧録や自身の育成マニュアル的な内容を書きとめる作業を続け、一冊の本にまとめ、発表にこぎつけたという。「おこがましいことだが、同じようにがんと闘う人々の、少しでも勇気になれば」と現在の病気の状況や胸中もつづっている。

 一方で、今年2月からのキャンプやオープン戦も病床のテレビで見て、教え子や各球団の状況をチェック。アドバイスを求められれば答えられるようにと、愛弟子らへの愛情を持ちながら病気と日々向き合っている。

 キャンプ前には巨人の内海、山口両コーチが見舞いに訪れ、三浦大輔氏、野村弘樹氏ら関係者が頻繁に小谷氏の病床に足を運び、山下大輔氏(元横浜監督)も姿を見せるなど、球界に残した足跡の大きさを物語っている。

編集部おすすめ