箱根駅伝初出場を目指す明学大の新監督に4月1日付で就任する中村匠吾氏(33)が5日、東京・港区白金台の白金キャンパスで会見を行い、2030年秋の第107回箱根駅伝予選会までに本戦突破を目指すことを明言した。

 明学大は昨年「2028年度までの4年間に箱根駅伝本選出場を本気で目指し、MG箱根駅伝プロジェクト『Road to HAKONE 2028』の取り組みをスタートしました」と発表。

しかし、この日、今尾真学長は「2028年までには難しいということで、きりのいいところで『Road to HAKONE 2030』ということに修正させていただきました」と明かした。黒田美亜紀部長は「後退ではなくリセットです」と説明。悲願実現のため、2019年のMGC(マラソン日本代表選考会)初代王者で、2021年東京五輪男子マラソン代表の中村新監督を招聘(へい)した。

 大学挙げての大きな期待に対し、中村新監督は「5年以内で出場します」と所信表明した。新コーチとしては、中村新監督の駒大後輩に当たる大坪桂一郎氏が就任することも明かした。

 すでに中村新監督は2日からチームを指導。「5年スパンで本戦出場を目指しますが、それより早く実現することも可能です。まず、初年度の目標としてはチーム史上最高の19位を超えられるように頑張ります」と意欲的に話した。

 会見には新主将の小出暖人(2年)、今年1月の第102回箱根駅伝で関東学生連合の一員として5区出場(区間21位相当)のエース高橋も出席。小出は「中村監督と一緒に箱根駅伝に出られるように頑張ります」と明言。高橋は「これまでの体制がダメだったというわけではなく、選手はポジティブにとらえております」と、それぞれ中村新監督率いる新チームへの期待を明かした。

 明学大は2025年度まで棚瀬亮治ヘッドコーチ(52)が指導し、昨年10月の第102回箱根駅伝予選会は10時間51分48秒で22位で落選した。

10位通過の立大と14分52秒の大差があった。

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は昨年12月、5年に1回だった記念大会を28年1月開催の第104回大会から4年に1回として、出場枠は3増の26チームとするなどの大改革を発表した。29年1月開催の第105回大会以降、通常大会も3増の24チームが出場できる。

 26年度の第102回大会は従来通りの21チーム(シード10校、予選会10校、オープン参加の関東学生連合)で開催されるが、27年度以降、記念大会は26チーム(シード10校、予選会15校、オープン参加の関東学生連合)、通常大会は24チーム(シード10校、予選会13校、オープン参加の関東学生連合)が出場する。

 27年度以降、箱根駅伝の出場枠は広がるが、本戦出場が狭き門であることには変わりはない。昨年10月の予選会では、法大、明大、専大の伝統校が落選した。復活出場を目指す筑波大、拓大、国士舘大や、初出場を狙う芝浦工大、麗沢大などライバルは多い。

 明学大の本部の白金キャンパスは箱根駅伝1区、10区コースから約500メートル、練習拠点としている横浜市戸塚区の横浜キャンパスは戸塚中継所から約1キロの至近距離にある。中村新監督率いる明学大は、近くて、遠い「箱根への道」を目指す。

 ◆明治学院大学(めいじがくいんだいがく) 略称は明学大、MGU。大学ホームページによると「1863年創立の『ヘボン塾』を起源とするキリスト教主義大学」。アメリカ人宣教医師J・C・ヘボンの精神を受け継ぎ「Do for Others(他者への貢献)」を教育理念として掲げる。

7学部17学科があり、東京・港区白金台に白金キャンパス、横浜市戸塚区に横浜キャンパスを有する。陸上部は1924年に創部。2005年に第1期「明学スポーツを強くするプロジェクト」が発足。2008年に箱根駅伝に出場することを目標にプロジェクト第2期がスタート。2009年に箱根駅伝予選会に出場し、46位(参加47校)。2019年に鈴木陸が関東学生連合の一員として9区に出場(区間17依相当)し、明学大初の箱根駅伝ランナーとなった。2020年に「MG 箱根駅伝プロジェクト」が発足。さらに2025年5月に2028年度までに箱根駅伝本選出場を目指すプロジェクト「Road to HAKONE 2028」をたちあげた。最近5年の箱根駅伝予選会の成績は21年30位、22年22位、23年24位、24年19位、25年22位。陸上部の練習拠点は横浜キャンパスで全天候型400メートルトラックを備える。

 ◆中村 匠吾(なかむら・しょうご)1992年9月16日、三重・四日市市生まれ。33歳。

小学校5年生から陸上を始め、上野工(現伊賀白鳳)で全国高校駅伝に3年連続出場。1年4区5位、2年1区14位、3年1区44位。2011年に駒大入学。箱根駅伝は2年時3区3位、3年1区2位、4年時1区区間賞。3年時のユニバーシアード(現ワールドユニバーシティゲームズ)ハーフマラソン銅メダル。15年に卒業し、富士通に入社。19年、東京五輪マラソン日本代表選考会(MGC)で優勝し、代表に内定。1年遅れで行われた21年東京五輪では故障などの影響で61位に終わった。自己ベスト記録は5000メートル13分38秒93、1万メートル28分5秒79、ハーフマラソン1時間1分40秒、マラソン2時間8分16秒。昨年4月、早大大学院スポーツ科学研究科に入学し、トップスポーツマネジメントを学んだ。同年10月の出雲駅伝ではアイビーリーグ選抜の臨時コーチを務め、チーム史上最高の4位入賞に貢献した。172センチ、55キロ。

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