◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 かつてサッカー日本代表を率いた名将・オシム監督は「PK戦とはくじ引きのようなものだ」と言った。本当にそうなのだろうか。

Jリーグでは今年、半年間の百年構想リーグで、PK戦が28年ぶりに導入された。J1では第3節までの30試合中、12試合がPK決着となり、緊張感のある戦いが繰り広げられている。

 日本代表にとってPK戦は鬼門だ。10年南アフリカ、22年カタールW杯ではベスト16のPK戦で敗退。この敗因を探る議論はさまざまある。例えば、キッカーが育成年代で過ごした背景。2大会でのキッカー計8人中、成功した4人(遠藤保仁長谷部誠本田圭佑浅野拓磨)は高校サッカー出身で、失敗した4人(駒野友一南野拓実、三笘薫、吉田麻也)はJユース出身。サンプル数が少ないが、緊張感のあるPK戦を経験するケースが多い高校サッカー出身者が強い、という意見もある。

 そこでJ1第4節までのPK戦で、ユース出身者と高校サッカー出身者のデータを比較した。ユース出身の成功率が76・7%(73本中56本成功)で、高校サッカー出身は75・4%(57本中43本成功)と、ほぼ差はなかった。一方で差が出たのが、外国籍選手の成功率。87・1%(31本中27本成功)と、日本人選手より高い結果となった。

 まだサンプル数は少ないものの、この差を偶然と捉えていいのか。もし外国籍選手と日本人選手で、PK戦に臨む心理面を含めて何か違いがあるのなら、それは運だけではない。W杯でベスト8以上を狙う日本が、くじ引きで“当たり”を引くための努力はまだありそうだ。(サッカー担当・金川 誉)

 ◆金川 誉(かながわ・たかし)2005年入社。W杯は14年から3大会連続で取材。

編集部おすすめ