2005年からテレビ朝日系アニメ「ドラえもん」(土曜・後5時)でドラえもんの声を担当し、公開中の「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」(矢嶋哲生監督)でも好演している声優・水田わさび(51)はアニメには詳しくなかったが、幼少期のある経験が今の仕事につながったという。苦労もあったが「お芝居が好き」という一心で声優業30周年。
誰もが知る国民的アニメの主人公は、三重県名賀郡青山町(現・伊賀市)で生まれ育った。「山の中すぎて、本当に何もないところ。今も携帯電話がつながらない。文化が違う」。幼少期は「あまりテレビを見ないし、映画に連れて行ってもらった記憶が一回もない」とエンターテインメントの世界から距離があった。テレビアニメの放送時間も「まだ薪(まき)でお風呂を沸かす手伝いをしていた」という。
芸能界入りを志した原点は、小学生の時の音読だった。進んでやらない児童も多い中、水田は「みんなの前でかっこつけて標準語で音読するのが大好きすぎて、ちょっと男子から痛い目で見られる存在だった。いっぱい先生にシールをもらっていた」。“読むこと”の楽しさを知った。「その延長でお芝居をやりたいと…」。
高校卒業当時、インターネットなどの情報源は少なく、女優のなり方も分からなかった。それでも両親の反対を押し切って関東に住む親戚を頼りに上京した。「人との出会いだけには恵まれていて、紹介、紹介でうまい具合で劇団に入れた」と間もなくして「劇団すごろく」に入団。裏方業務をしながらオーディションを受け続け、並行して1996年公開の劇場アニメ「トイレの花子さん」(大地丙太郎監督)で声優デビューした。
代表作となる「ドラえもん」への出演は突然決まった。別の作品の収録日に、開始時間より早く呼ばれた。「普通は事務所がなぜスタジオに行くか把握しているけど、事務所も『何しに行ったんだろう』って感じ」。その場で用意された原稿を読み終えると「『今日あったことは誰にも言わないでください』みたいな感じで…」とまさかの大役が舞い込んだ。「何も知らずにオーディションを受けていたので、(セリフに)ナチュラルに向き合えていた。ちょっとラッキー。構えていなかったので」と笑う。
大山のぶ代さんが26年間務めたドラえもん。バトンを受け取った当初は「とてもじゃないけど、務まらないと思った」。原作コミックから大ファンの夫からも「お前には務まらないと思う」と言われた。「それだけすごい作品に携わっているんだと思った」と一気に背筋が伸びた。
水田自身、これまで同じ役を担当するのは長くても1年半だった。「いつクビになってもおかしくないと思って、心も行動もフラフラしていた」。キャスト交代は時間の問題だと思い、ドラえもんに決まってからも劇団時代からのバイトは続けていた。
迷いながらの日々だったが、初の劇場版「映画ドラえもん のび太の恐竜2006」(楠葉宏三総監督)が転機になった。「クビになると思ってやっていたので、映画をやるって時に(これからも)ドラえもんを演じさせてもらえるかもって思った瞬間だった」と安堵(あんど)した。「取材を受けたり、芸能人に会うのも初めてだったし、すべての初めてを経験させてもらった」
昨年“ドラえもん声優”として20周年を迎えた。ドラえもんであるための体調管理は欠かさない。「ドラえもん」のアフレコ、イベントにはシーズンオフはない。
「ドラえもん魂」は年々染みついてきており、ふとした時にドラえもんの声が出る。ショッピングモールで服を試着中、店員から「どこかで聞いたことがある声なんですけど…」と声をかけられたことも。即座に声のトーンを低くしてごまかしたが「人に訴えが強い時にそうなるみたい。テンションが上がるとそれっぽい声になってしまうみたいで」。この日の取材でも時折、あの特徴的な声が響き、まさにそこでドラえもんが呼吸をしているようだった。
“家庭には仕事を一切持ち込まない”というのがマイルール。2児の母でもあるが「家族を試写会に呼んだことはない」と私生活と一線を引く。「ドラえもんはもっと大きい存在。
今年は声優30周年の節目でもある。「現在進行形で楽しい。基本好きなことを職業にしているので、つらいことはない」とキッパリ。「映画が公開されなかった年とか、アフレコが休みの時とかの方がつらかった。仕事していてしんどい、嫌だなっていうのは思ったことない」と言い切る。
声の仕事はもちろん好きだが「舞台をやりたい。芝居をやりたい」と、原点の女優業にも意欲を見せる。「文字を読まない、人と触れて人と目を合わせて芝居するというのは、声の仕事とはまた違うものがある。それがあるからマイクの前でお芝居できる」。ドラえもんで得た経験を、生身の芝居にも還元していくつもりだ。
〇…「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」は1983年に公開された「映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城」の再映画化。海底キャンプを楽しむのび太ら5人が沈没船を発見したことで海底人と出会い、地球の命運をかけた大冒険に出かける。水田は「F(藤子・F・不二雄)先生がまるで未来を予言していたかのような現代のテーマが詰まりまくっているので、大人になった皆さんにこそ見てほしい作品。『以前見た』とかではなく、だからこそ見てほしい」と呼びかけた。
◆水田 わさび(みずた・わさび)1974年8月4日、三重県名賀郡青山町(現・伊賀市)生まれ。51歳。名張桔梗丘高を卒業後、「劇団すごろく」を経て96年に声優デビュー。代表作は「ドラえもん」「忍たま乱太郎」など。趣味は野球観戦。芸名は「伊賀の実家の庭にわさびが自生していた。田舎だし、実家を思うっていうので」と先輩声優の緒方賢一が命名した。

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