◆オープン戦 阪神2―3巨人(8日・甲子園

 巨人・田中将大投手(37)が8日、阪神とのオープン戦(甲子園)で先発。3回1安打無失点の好投で、2年連続の開幕ローテ入りへ前進した。

最速147キロを計測した直球で押し、スプリット、スライダーなどの変化球を織り交ぜて凡打の山を築いた。阿部監督も「(開幕ローテに)入ってくる可能性はある」と順調に調整を進めるベテラン右腕を評価。北海道・駒大苫小牧時代に全国制覇を果たすなど沸かせた“聖地”で、大きな一歩を踏み出した。

 黒土のマウンドでギアを上げた。初回2死三塁。田中将は4番・大山を球威で押し込んだ。114キロのカーブで空振りを奪い、カウント2―2とした直後の5球目。この日最速147キロの外角直球で投ゴロに封じ、狙い通りピンチを脱した。今季初先発、気温9度前後で3回31球0封、被安打1。WBC組で不在の佐藤、森下にも触れつつ「とりあえず抑えられてよかった。結果が出ないよりは絶対出た方がいいので」とうなずいた。

 昨年3月9日のOP戦以来、約1年ぶりの甲子園。

「声援をもらえるのはありがたい。うれしいですね」とプロ入り前から聖地を沸かせてきた“申し子”の帰還に、試合前から敵地も大きくどよめいた。カットボール、スライダー、スプリットなども両サイドに散らし3イニング目は8球でピシャリ。計9アウトのうち7つがゴロと、4万1888人の前で「持ち味」と語る投球術が光った。

 狙うは2年連続の開幕ローテ入り。今年は春季キャンプからフォーム、出力が安定し、実戦2試合で5回1安打0封と近年にない仕上がりを実感している。この日の初回はあえて、宝刀のスプリットを封印。15球中11球が速球と、磨き上げてきた武器で上位打線を打ち取った。1年前の阪神戦と比べ最速は2キロ上昇し、球団のデータ班は平均球速、変化球含め「去年より全てのデータが上回っている」と証言。阿部監督も「もちろん、入ってくる可能性はある」と開幕ローテ6枚に食い込める状態にあると判断している。

 登板前夜はWBC日本代表の韓国戦をチェック。劇的な逆転ゲームを締めたのが、後輩の大勢だった。

日頃から「マサヒロさん」と慕われ、侍合宿前には宮崎でゴルフも一緒にラウンドした。自身も09、13年と同大会に出場。世界一の喜び、負けの重さ、どれほど重圧がかかるかも理解している。だからこそ「9回を締めくくってるわけですから。点差の少ないところで投げて、また自信になるだろうし、緊張も多少はほぐれてくると思う。また次以降の投球も楽しみ。もちろん応援してますよ」と熱いエールを忘れなかった。

 先発枠を巡っては新外国人右腕3人に則本や若手らとサバイバル。「シーズン入ってくれば(打者の反応も)変わるだろうし、イニングが進んでいくとまたそれも変わってくる。いろんな想定をしてまた投げられたら」。昨季大きく負け越した阪神戦、鬼門・甲子園での快投。価値のあるアピールだった。

(堀内 啓太)

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