第6回WBC1次ラウンド(R)が8日、行われ、日本はオーストラリアとの接戦を4―3で制し、C組1位で6大会連続の8強進出を決めた。1点を追う7回2死一塁、Rソックス・吉田正尚外野手(32)が2試合連発となる決勝の逆転2ラン。

3戦連続で「4番」を任された“WBC男”が、野球の国際大会では60年ぶりとなった「天覧試合」で日本を劇的勝利に導いた。9日は試合がなく、10日にC組全勝をかけチェコ戦に臨む。

 あきらめかけた日の丸だった。当たり前に映る吉田のWBC2大会連続の選出だが、真実は紙一重。「今回は無理かもしれない…」。周囲に“覚悟”を漏らすほど、追い込まれていた。

 理由は出場に不可欠な保険会社による審査の難航。24年10月の右肩手術の故障歴がネックとなり、保険の適用は厳しいとされた。1月末の2次発表での代表メンバー入りも見送られた。それでも、吉田サイドは一縷(いちる)の望みをかけ、運営側に再考を促す直談判。ロースターの提出期限ぎりぎりに問題をクリアし、30人目の「ラストサムライ」に滑り込んだ。

 23年大会はメジャー移籍初年度ながら出場を決断。

大会新の13打点で世界一の原動力となった。「くさい話ですけど、学生時代にWBCに夢や希望をもらった。だから、その場に立ちたいんです」。あの時の気持ちは今も変わらない。日本の4番には、不屈の侍魂が宿っている。(小松 真也)

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