◆WBC 1次ラウンドC組 オーストラリア2―7韓国(9日・東京ドーム)

 韓国がミラクル大逆転でマイアミ切符を勝ち取った。1次ラウンド(R)・C組の「残り1枠」を巡る一戦は、韓国がオーストラリアに7―2で勝利。

2位を確定させ、1位の日本とともに米マイアミでの準々決勝進出を決めた。勝った韓国はオーストラリア、台湾と2勝2敗で並んだが、この試合で「5点差以上をつけ、2失点以下での白星」という厳しい条件を満たし、失点率で上に立った。

 勝利の瞬間、韓国ナインの誰もが勢いよくベンチを飛び出した。激しく体をぶつけ合い、うれし涙を流した。三つどもえの奪い合いとなったマイアミ行きの切符。勝者は韓国だ。客席から「テーハミングク」の大合唱が止まらない。柳志ヒョン監督は瞳を潤ませ、頼もしい選手たちを見つめた。

 「選手の姿勢、本気度が1つになり、いい結果につながった。野球人生で一番いい日だ」

 ドラマを生んだのは、野球の神様が韓国ナインに課した「5点差以上をつけ、2失点以下で勝つ」という過酷なミッションだ。7回を終え、6―1と条件を満たした。だが8回、6―2と4点差に追い上げを許した。

9回、執念で1点をもぎ取った。最後は7―2。全てがギリギリだった。

 指揮官は言う。「その中でも『2失点以下』が難しい条件だった」。初回、先発の孫珠瑛がコンディション不良で降板。だがその後の6投手が必死にタスキをつないだ。柳監督は「若い投手陣がストレスに打ち勝った」と強い心身をたたえた。

 名古屋生まれのキャプテンが、大きな仕事をした。元中日の李鍾範を父に持つ李政厚だ。どうしても1点がほしい9回1死一塁、投手のグラブをかすめるゴロが、遊撃手の二塁悪送球を誘発。続く安賢民の中犠飛を生んだ。

その裏の1死一塁では、右中間を破りそうな当たりをスライディング好捕。ゲームセットの瞬間、グラブで顔を覆って泣き崩れた27歳に、柳監督は「トライして捕るのはさすがだ」と最敬礼した。

 韓国は第1回WBCで4強、第2回は準優勝と創成期を先導した。だが直近3大会ではいずれも1次R敗退。そんな屈辱から見事に復活した。「長年の願いがかなった」と感無量の指揮官。「マイアミに行くぞ」というメッセージが込められた「飛行機ポーズ」で呼び込んだ、東京Dの奇跡。手ごわい韓国が、WBCに帰ってきた。(加藤 弘士)

 ◆オーストラリア、9回痛恨悪送球

 2大会連続の準々決勝進出を逃した。2位確定を目前にした9回1死一塁で、ゴロを捕球した遊撃手・デールが二塁へ悪送球。一、三塁とピンチを広げ、中犠飛で7点目を失った。敗退が決まると選手たちはベンチで頭を抱えてうつむくなど、ショックを隠し切れず。

試合後、ニルソン監督は「まだまだ成長しなきゃいけないと分かった大会だった。何を言っても負けは負け」と受け止めた。

 ◇C組2位通過 韓国がオーストラリアに7―2で勝利。台湾を含む3チームが2勝2敗で並んだ。

 3チーム以上が同じ勝敗となった場合の順位は、当該チーム間による対戦成績、失点率(失点/守備のアウト数)、防御率、打率、抽選の順。この3チームは当該間の勝敗も1勝1敗のため、失点率で順位決定。

  アウト―失(失点率)

韓国57―7(0・12)

オーストラリア54―7(0・13)

台湾54―7(0・13)

 最も数字の低い韓国が2位となった。

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