担当するJ2札幌の予想スタメンを紙面、WEBともに今季から載せていない。昨年までは試合当日の朝に掲載していたが、クラブからの「勝つ確率を1%でも上げたい」という申し出を受け入れた。

 札幌は1996年の創設からオープンな姿勢だった。観光スポットとして人気の白い恋人パーク横にある練習場は誰でも入場可能で、間近で練習を見られる。紅白戦も隠さず、その週のスタメンはほぼ分かる。他のクラブは非公開練習が多いが、ファンサービスを優先させてきた。

 ただ、どんな練習をして誰が出場しそうかなど、ネットで様々な情報があふれるようになった。他クラブから「札幌のメンバーはほぼ分かる」とも言われる。昨季途中から試合前日の練習を非公開にしたのは、情報流出を少しでも減らしたいから。J1復帰に懸ける思いが30年守ってきた“伝統”すら変えた。

 新人時代、取材の基本となる5W1Hを教わった。「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」の4Wは必要な要素。「〇日、プレミストドームの〇〇戦でJ2札幌FW〇〇がハットトリックを決めた」。どれも欠けてはいけないが、その先に何を書くかが記者の勝負だと思っている。

 「Why(なぜ)」活躍できて、そこまでに「How(どのように)」取り組んできたか。成功への過程や人間性など、読者が知り得ない話を引き出さないと、情報があふれた今、差別化は図れない。見たまま聞いたままではなく、より原稿に深みを持たせるために、改めて残りの「1W1H」にこだわりたい。(サッカー担当・砂田 秀人)

 ◆砂田 秀人(すなだ・ひでと) 2020年入社。前職を含め、現担当は通算10年超え。

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