◆WBC 1次ラウンドC組 日本9―0チェコ(10日・東京ドーム)

 WBCは10日、1次ラウンド(R)C組が行われ、同組1位で8強入りを決めている日本はチェコに勝利。4戦全勝での突破を決めた。

大谷、鈴木が休養し、7回まで無得点と苦戦したが、8回、ホワイトソックス・村上宗隆内野手(26)のダメ押しの満塁弾など9得点で締めた。前回から大会最長タイとなる11連勝の日本は23年に劇的世界一を決めた伝説の地・米マイアミに場所を移す。14日(日本時間15日)にD組2位と準々決勝に臨み、ドミニカ共和国かベネズエラとぶつかる。

 打球を見つめ、悠然と歩き出す“村神様”が帰ってきた。5点リードの8回2死満塁。村上はチェコの左腕ジョンソンが投じた高めの140キロ直球を完璧に捉えた。「NPB+」によると、打球速度180・4キロ、飛距離129・5メートルのグランドスラム。「手応えは良かった。うれしかったですね」。村上にとって23年WBC決勝の米国戦以来3年ぶり、今大会侍8号がバックスクリーン右に着弾した。

 3試合までは10打数2安打の打率2割。この日も4打席で凡退していたが、打者一巡で巡ってきた5度目の打席でよみがえった。

凡打の内容が悪くなかったとはいえ、オーストラリア戦のあった8日にはベンチ内で大谷から構えの助言を受けるなど自身の打撃に納得はいっていなかった。「(大谷のアドバイスは)左手の握り方とかその力の方向とか、そういう話でした」。先輩の教えをものにした。

 22年にNPB史上最年少の3冠王に輝いたが、23年WBCの前の壮行試合で見た大谷のフリー打撃に「言葉が出ない」と衝撃を受けた。その“劇薬”に自信を失いかけたこともあった。だが、今は違う。「もう驚かなくなりましたね。それが翔平(大谷)さんなので」。経験を重ね、自分は自分と割り切れる。バットの形状など進化のための試行錯誤も続けるが「もっと自分のやることを明確にしていきたい。(日本代表には)一流の選手がたくさんいるので、盗めるものは盗みながらやっていきたいと思いますけど」と前だけを向く強さがある。

 前回23年大会は4番で開幕したが、不振で準々決勝から5番に降格。

それでも、米マイアミに舞台を移した準決勝のメキシコ戦では9回に逆転サヨナラ打。今回も渡米前最後の一戦で復活し、今後の大爆発を予感させた。「この調子でアメリカに行っても頑張りたい」と背番号55。井端監督も「いいきっかけにしてもらえればいいかなと思います」と期待した。大谷、鈴木、吉田には今後より厳しいマークが予想されるだけに、村上の復調は明るい材料だ。

 侍ジャパンの1次Rは大谷の先制満塁本塁打に始まり、村上の満塁本塁打で締めくくられた。「これからは負けたら終わり。最後まで集中力を切らさず、自分のやるべきことをやってチームに貢献できれば」と村上。準々決勝の相手はまだ分からないが、どんな強敵が来ようと、和製スラッガーが日本を明るく照らす。

 【記録メモ】 村上(Wソックス)が8回に満塁本塁打。村上の主要大会(WBC、五輪、プレミア12)での本塁打は21年東京五輪決勝、23年WBC決勝のともに米国戦に次ぎ、この日が3本目だ。また、日本のWBCでの満塁弾は13年2次ラウンド(R)、オランダ戦の坂本勇人(巨)、今大会の1次R、台湾戦の大谷翔平ドジャース)に次いで3人目。

99年のプロ参加以降の主要大会ではほかにプレミア12の15年1次R、米国戦の松田宣浩(ソ)、同24年スーパーR、ベネズエラ戦の牧秀悟(D)が記録している。

 【記録メモ】 日本はチェコを下して、23年大会初戦の中国戦からWBC最多タイとなる11連勝。ドミニカ共和国が13年に全勝(8勝)で優勝し、続く17年1次Rで3連勝してマークした11連勝に並んだ。3位は17年の初戦から7連勝したプエルトリコ。

編集部おすすめ