フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌五輪を連覇した、プロスケーターの羽生結弦さん(31)が10日、出身地の仙台市内でスポーツ報知の単独インタビューに応じ、11日で発生から15年となる東日本大震災への思いを語った。座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2026」を宮城で開催するなど、被災地への支援、応援を続けている。

「やっと、31歳らしい背負い方みたいなものと、オリンピック金メダリストらしい背負い方みたいなことができるようになってきた」と口にした。(取材・構成=高木恵)

 「notte stellata」は4年連続4度目の開催。ハビエル・フェルナンデスさん、鈴木明子さん、無良崇人さん、田中刑事さんら、いつものファミリーが顔をそろえた。座長の熱量を共有しながら、年々チームワークは増す一方だ。

 「任せきることができる存在だなと僕は思っています。スケーターとしてももちろんそうですけど、人となり、震災に対しての寄り添い方もそうだし、プログラムの選曲であったり、持ってくるプログラムたちもそうだし、振り付けもそうだし。思いみたいなものも、圧倒的な信頼を寄せて一緒に滑っている感じはします。中途半端なスケートはしないだろうという安心感はあります。みんな仕事があって、自分の練習をする時間がない中で、それでもその演技に対して、ずっと努力し続けているというのを感じられるスケーターたちなので。安心して、もうやることをやってくださいと。何も語らなくても大丈夫だと思っています。信頼しています」

 昨年夏にメンテナンス期間に入り、今回のアイスショーが8か月ぶりにファンの前で滑る機会になった。

メンテナンス期間中も、多忙な日々を過ごしていた。

 「自分自身が振り付けをもらって踊るというフィギアスケート独特な文化の中で、ずっと踊りや表現というものを磨いてきたつもりではいました。それをもう1回ちゃんと基礎から見つめ直して、ちゃんと土台からやろうという期間でした。フィギュアスケートはメジャーな競技ではないので、練習方法も確立されていないですし、必要な筋肉もなんとなくはわかるけど、フィギュアスケートに特化した練習方法がないので。改めてその基礎から学び、アスリートとしてこういうものが必要だよねとか、こういう感覚とこういう体づくりが必要だよねということを、改めて体づくりから見直して、一つずつ頑張ってきたという期間でした。地味です」

 スケーターとして進化するために、今も多くの時間を費やしている。「よりうまいフィギュアスケーターになりたい」という志は不動だ。

 「僕の中での信念なんですけど。僕はフィギュアスケーターだけど、男子シングルのフィギュアスケーターなので。ダンスで全部表現したいわけでもないし、スピード感で全部表現したいわけでもない。表現したいスピンがあれば、そのスピンは存分にできるようにしたい。そこにジャンプが必要であれば、ジャンプも、その表現の一部として使いきりたい。

それは多分、男子シングルフィギュアスケーターとして当たり前に必要なことであって。身体表現とは、それらを含めてだと僕は思っているんです。ジャンプのシームレスさも含めて、軽さも含めてのフィギュアスケートだと僕は思っているので。それがあるからこそ、やっぱり羽生結弦だよねっていうふうに思ってもらえていると思うので。全部、ずっとずっとずっと、追求し続けたいと思っています」

 アイスリンク仙台で一緒に練習をしたことがある同郷の後輩が、初出場のミラノ・コルティナ五輪で活躍した。佐藤駿(22)は団体銀、個人銅。千葉百音(20)は個人4位だった。

 「見守るという感じでした。2人とも小さい頃から頑張っているのを知っているので。駿に関しては、小さい頃から出来上がっていました。本当に、率先して自分から一日中練習をしていたので。本当にスケートが好きだったので。

そういう本当にスケートを大好きな子がめちゃくちゃ努力をして、あそこまで行っている姿を見ると、胸が熱くなりました。団体戦もすごくプレッシャーがかかっていたと思います。あそこであれだけ仲間の思いを背負って、ノーミスの演技ができるってすごく強いなと。あの性格だから余計にプレッシャーを感じたと思います。あそこまで頑張ってきたからこそ、できたことだよなとすごく思いました」

 11歳下の千葉が、氷の上で遊び始めた頃から知っている。リンクで追いかけっこをしたこともあった。

 「百音はメダルを取れなくて悔しいとは思うんですけど。僕は『メダルを取れなくても、いい演技だからよかったよ』とは言わない人間なので。取れなかったことはやっぱり絶対に悔しいと思うし、絶対にそれはなくならないとは思うんですけど、でもその結果がきっと、今後の人生の中でも、今後のスケートに向き合う中でも、絶対に強いエネルギーになると思うので。大事にしながら、強く生きてほしいと僕は思っています」

編集部おすすめ