歌舞伎俳優の8代目尾上菊五郎が11日、都内で行われた歌舞伎座「四月大歌舞伎」(4月2~27日)、「團菊祭五月大歌舞伎」(5月3~27日)の取材会に出席した。

 昨年3月に神田明神で襲名披露お練りをしてから1年。

記者から「菊五郎さんと呼ばれることに慣れましたか?」と尋ねられ「まだまだ時間がかかると思います」と苦笑。それでも歌舞伎座をはじめ、各地の劇場で歓迎され「皆さんにお祝いをしていただいて、温かい声援がいつまでも自分の心に残り、日々過ごしています。それが襲名した実感につながっています」と語った。

 8代目菊五郎としての理想像は「伝統と革新」と強調。「何を守るべきなのか、何が変わってきたのかを知ることが伝統。革新というのは何を大事にして、何を変えていくべきなのかを同時に考えること。ただ、守って変えるのではなく、学ぶことが伝統と革新の根幹」と説明。「これからの世相、人間的に普遍的なものが何なのか。お客様が何を求めているのか。古典歌舞伎、新作歌舞伎、舞踊、新古演劇十種を磨いていきたい」と意欲を見せた。

 現在12歳で4月から中学生になる息子の尾上菊之助は歌舞伎と学業を両立して奮闘している。「襲名の大役を頑張っていた。

頑張ったことが成長なのではないかな」とねぎらい、昨年末に親子2人で旅行に行ったことを報告。「富士山の見える温泉で年越しをして『今年も襲名披露、頑張ろうね』と話しました」と明かした。

 5月に3代目尾上辰之助を襲名する尾上左近については「紀尾井町として大事にしている演目を守っていきたいとおっしゃっている。とても勉強熱心。共に歌舞伎を盛り上げていきたい」。襲名披露演目の「寿曽我対面」には左近改め辰之助が演じる曽我五郎の兄・曽我十郎役を勤める。「門出をお祝いしたい。血気にはやる五郎と、理性でとどめる十郎。その兄弟を演じる。ありがたいことだと思います」と歓迎した。

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