働きながら家族の介護を担う「ワーキングケアラー」が、企業や社会にとって無視できない存在になりつつある。NTTドコモビジネスX株式会社とNTTデータ経営研究所が共同で実施した調査によると、就労者の約2割が介護を経験していることが分かった。

一方で、企業による両立支援制度の導入は進んでいるものの、実際には約4割が制度を利用していない実態も明らかになった。

 調査は30~60代の就労者1061人を対象に実施された。現在介護をしている人は9.0%、過去に介護を経験した人は11.5%で、合計すると20%を超えた。介護経験は決して珍しいものではなく、仕事をしながら家族のケアを担う人が広がっている状況が浮かび上がった。

 介護経験者217人に介護期間を聞いたところ、「5年以上」が30.9%で最多となり、「1~3年未満」(22.6%)、「3~5年未満」(22.1%)と続いた。3年以上の中長期にわたる介護を経験した人が半数を超え、介護の長期化が進んでいることがうかがえる。

 企業の制度面を見ると、「介護休業制度」(19.5%)や「テレワーク・在宅勤務制度」(13.8%)など、仕事と介護の両立を支援する制度は一定程度整備されている。ただし制度が導入されている企業でも、介護経験者の42.2%は「いずれの制度も利用していない」と回答し、制度があっても活用が進んでいない現状が明らかになった。

 さらに、職場で介護支援の必要性を伝えることについて「出産・育児よりハードルが高い」と感じる人は46.8%に達した。将来の介護への不安では「頼れる人がいない」が49.9%で最も多く、人的支援や費用面への懸念も目立つ。調査結果は、制度整備だけでなく、利用しやすい職場環境づくりが今後の課題であることを示している。

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