「ABEMA大相撲」の専属解説者の元横綱・若乃花(3代目)の花田虎上氏がこのほど、スポーツ報知の取材に応じた。3月8日の初日を解説後、綱取りの新大関・安青錦(安治川)について言及。

安青錦は以前から身長、体重の近い同氏の現役時代を参考にしている。同氏が語る安青錦の強みや横綱昇進の可能性について語ってもらった。(取材 山田 豊)

 安青錦は初日に小結・若元春(荒汐)の変化に動揺せず、寄り切った。春場所前、安青錦が大阪・堺市にある荒汐部屋へ多く出稽古していた。

 「安青錦は場所前に荒汐部屋に出稽古している。あの立ち合いは出稽古で稽古している若元春が実力を認めているということ。若元春としてもなんとしてでも勝ちたいという気持ちがある中で以前、弟の幕内・若隆景が変化で勝っていることもあり、ああいう動きに出た」

 新大関だった初場所で優勝し、今場所は初の綱取り。元横綱を心境を推察した。

 「緊張しているし大変なはず。眠れない夜が続いてると思うけど、相撲内容は大丈夫。優勝すれば3場所連続。大変なことだけど彼なら今の相撲でケガがなければ優勝に準ずる成績は出せる」

 過去2場所の優勝は12勝3敗。

文句なしの昇進には13勝が必要という意見もある。

 「私が思うのは相撲内容ですかね。実際優勝してますから。毎日強敵で自分との闘い。いかに失敗しないかというのが彼にとって大切。横綱昇進の達成うんぬんよりも相撲の実力が強いので遅かれ早かれ横綱に上がる。今場所に期待するのは少し早いかもしれない」

 過去に現役時代の身長・体重が近い安青錦が花田氏の現役時代の映像を参考にしていることを明かしたことがある。

 「安青錦は相手がいい体勢にさせないように攻めている。初場所の熱海富士との優勝決定戦のように不利な体勢になってもフェイントをかけて首投げができたのは落ち着いている証拠。攻められながらでも力を加えて技がかかる。頭と体が連動できている」

 低い体勢は安青錦の強み。起こされそうで、起きない。

その隙をついて相手を起こして勝ち星を重ねてきた。

 「どうやったら体勢が保たれるのかわかっている。徐々に体を大きくしているけれど上手にコントロールができている。今後もケガがなければ一番いい」

 一方で横綱・大の里(二所ノ関)ら大きな相手に一方的に敗れるなど苦手とする傾向がある。

 「大きい人に対しては懐入って、待つことが大切ではないか。攻められると不得意な体勢になってしまう。時間の使い方を学んでほしい。安青錦は素直というかきれいな相撲だからこそ、大きい関取にとって怖さがない。そもそも大きい体に優位な競技でもある。こいつは嫌なことをするなと恐怖を与えることが大切」

 安青錦との交流について聞いてみた。

 「この前私の着物を渡した。背丈が近いから着られるはずなので。

いろいろ聞いてくるけれど、向上心がすごく頭もいい。相手に臆せず聞けるのは大切なこと。参考にしていただけるのは現役中、頑張って良かったなと思った」

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