大相撲春場所5日目(12日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇・高安が無傷の5連勝とした。西前頭筆頭・義ノ富士を危なげなく寄り切った。

36歳の元大関が、37歳8か月の旭天鵬に次ぐ年長2位の初優勝へ序盤戦を全勝で駆け抜けた。西前頭4枚目・隆の勝は西同6枚目・阿武剋を突き落として5連勝。西同5枚目・琴勝峰は初黒星を喫し、全勝は高安と隆の勝の2人になった。綱取りの大関・安青錦は東前頭2枚目・藤ノ川を押し出し、連敗を免れた。

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 高安は完璧だった。左肩から当たって得意の左を差し込んだ。右上手を引いて引き付けて一気に寄り切った。義ノ富士に相撲を取らせなかった。これまた電車道と言えるだろう。体が動いている。投げたり振ったりした時の思い切りの良さと力強さも光る。今場所は本当にチャンスじゃないかと思わせる内容でもある。

 何度も期待を裏切ってきた。特に春場所は2度の優勝決定戦で涙をのんでいる。大阪の借りは大阪で返してほしいと願っているが、ガラスの肉体と精神面の弱さが賜杯を遠ざけている。いつ再発するかわからない腰痛はまさに爆弾だ。

 同じ二所ノ関一門として新弟子の頃から見てきた。今場所は内容に加え、上位陣が崩れている。もしかしたら「相撲の神様」が手招きしているのかもしれないが、私は高安が涙の数だけ強くなっていると信じたい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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