◆WBC 準々決勝 日本―ベネズエラ(14日・米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 侍ジャパンドジャース大谷翔平投手(31)が14日(日本時間15日)、WBC準々決勝のベネズエラ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、先頭打者本塁打、申告敬遠、空振り三振で迎えた5―7で2点を追う7回1死走者なしの4打席目は見逃し三振に倒れた。7回終了時点で5―7と2点を追いかける天下になっている。

 ベネズエラの先発はレッドソックスのランヘル・スアレス投手(30)。フィリーズで24、25年と2年連続12勝を挙げた左腕だ。大谷は昨年、地区シリーズで対戦したが、一ゴロ、空三振、左飛と3打数無安打に抑え込まれた。通算でも5打数1安打で本塁打は出ておらず、苦しめられていた。

 注目の1番打者対決は、初回から熱を帯びた。まずはベネズエラのアクーニャが山本から右中間席に先取点となるソロ。ベネズエラベンチは大盛り上がりとなった。0―1の1回裏。今度は大谷がカウント2ボール、1ストライクから低めの78・8マイル(約126・8キロ)カーブを捉えると、打球速度113・6マイル(約182・8キロ)、打球角度24度のライナー性の当たりを右翼席に飛距離427フィート(約130メートル)で突き刺して試合を振り出しに戻した。

 2打席連続弾の期待がかかった1点を追う3回1死二塁の2打席目は申告敬遠でブーイング。その後佐藤(阪神)の右翼線への適時二塁打で追いつき、途中出場の森下(阪神)が左翼へ勝ち越しの3ランを放った。試合序盤の敬遠という異例の展開だったが、しっかりと勝ち越した。

 3番手左腕・デヘススとの対戦となった5―2で3点をリードした4回1死一、二塁のチャンスでは空振り三振に倒れた。5回に2点、6回に3点を失って逆転され、侍ジャパンは追いかける展開になった。

 大谷は東京ドームの1次ラウンドで、6日の初戦・台湾戦では両軍無得点の2回に先制の満塁本塁打。チームを勢いづけると、7日の韓国戦でも2試合連発のソロ。8日のオーストラリア戦は快音が響かず、1位突破が決まっていた10日のチェコ戦は欠場したが、1次ラウンド3試合では9打数5安打の打率5割5分6厘、2本塁打、6打点と圧巻の成績を残した。

 米マイアミのローンデポパークでは、23年WBCで準決勝、決勝を戦い優勝を経験。準決勝・メキシコ戦では1点を追う9回先頭で二塁打を放って「カモーン!」と絶叫し、村上(当時ヤクルト)の逆転サヨナラ打につなげた。決勝の米国戦では「3番・指名打者」でスタメン出場しながら、1点リードの9回に登板。2死走者なしで最後は当時同僚だったトラウト(エンゼルス)から空振り三振を奪って胴上げ投手になり、大谷伝説の新たな1ページとなった。

 24年9月19日には、3本塁打を放つなど6打数6安打、10打点、2盗塁の大暴れ。メジャー史上初の「50―50」(50本塁打&50盗塁)を達成しただけでなく「51―51」まで数字を伸ばし、自身初のポストシーズン進出も決めた。エ軍時代から同球場では試合前の時点で10試合に出場したが、9試合連続安打中で、通算41打数16安打の打率3割9分で6本塁打、16打点をマーク。

12日(同13日)には、「いい思い出が多くある場所なので、それを次の試合に持ち込むということはないですけど、自然にプラスになってくれればというのは大いにあると思う」と口にしていた。

 試合前には東京ドームでの1次ラウンドに続いてフリー打撃を行った大谷。中継の解説のため23年に侍ジャパン入りしていたヌートバー(カージナルス)も見つめる中、33スイングで13本が柵越えで、右翼の4階席に推定飛距離140メートルの特大弾を連発した。

 23年MVPのアクーニャ(ブレーブス)、22~24年に3年連続首位打者のアラエス(ジャイアンツ)らメジャーでも屈指のスター選手をそろえるベネズエラとの対戦。この日侍ジャパンは勝てば、16日(同17日)に、プエルトリコに勝ったイタリアと準決勝を戦い、17日(同18日)に米国とドミニカ共和国の勝者との決勝が待っている。一方でこの試合で敗れると、WBC第6回大会にして初めて準決勝に進出できないこととなる。

編集部おすすめ