世界のトップブレイカーが集うブレイキンのワールド・チャンピオンシップ「FUJIFILM instax Undisputed」Tokyo World Finalが21日、ニューピアホール(東京・港区)で行われる。本大会はパリオリンピックと同様のジャッジシステムを採用。

ジャッジの仕方や注目ポイントについて、運営チーム「DANジャッジングチーム」のスポークスパーソン・Jur“Jurskee”Bouterse(ユリアン・“ユースキー”バウテルセ)氏に語ってもらった。

 審査員が「赤」と「青」のランプをつけ、多かった方の選手がラウンド奪取―。ブレイキンのジャッジ方法について、ざっくりとこれくらいの知識がある方はいるだろう。ただ審査員が果たしてどういう基準でジャッジしているのか、詳細までご存じの方は少ないのではないか。「ブレイキンってそもそもどうやって審査しているの?」。誰もが気になる素朴な疑問を掘り下げていく。

 本大会は「DANジャッジングチーム」が独自に開発した「Trivium審査システム」で勝敗を判定しており、現在では多くの国際大会にも導入されている。同チームは約200人の審査員を擁する団体で、そのうち30人がワールド・チャンピオンシップ「Undisuputed」に関わっているという。「いずれも経験が豊かなメンバー。いろいろな国の出身者が参加している」とユリアン氏。東京大会は予選が2人、ベスト16以降は3人、決勝は7人の審査員で構成され、勝者を決める形だ。

 ブレイキンの対戦は1対1。

両者のダンスが終了後、〈1〉「Physical Quality(身体的・技能/多様性)」〈2〉「Interpretative Quality(解釈的・能動性/音楽性)」〈3〉「Artistic Quality(芸術的・創造性/個性)」の3項目でジャッジする。ユリアン氏は、わかりやすく以下のように説明。「〈1〉はいかに自分の体をコントロールしているか。〈2〉は表現が音楽にあっているか。〈3〉は表現力や完成度、個性」。

 この3項目において、審査員はどちらの選手が優秀だったかを判断し、3項目のうち、多くの項目を取った選手のランプ(赤または青)をともす。「オーディエンスは『赤』『青』の表示しかわからない。ただ選手には3項目でそれぞれどちらが取ったのか、フィードバックをしている」とユリアン氏。他の採点競技との大きな違いは得点でジャッジしないこと。フィギュアスケートのように点数で決めるシステムではない。「こうした方が得点が上がる、というアドバイスもない。即興で音楽を感じ、自由に表現するのがブレイキンなんだ」。

 細かい得点の基準がないだけに、シンプルといえばシンプル。ただ逆にいえば審査員が持つ裁量や責任は非常に大きい。「とにかく中立な立場が必要。好みが入る人は審査員になれない。公平性が何よりも大事」と繰り返し口にしたユリアン氏。「特にこのような賞金が出る大会は、勝つことで人生が変わるかもしれない。その責任をジャッジは負っている。彼らの人生を負うんだ。意味のある、大変な仕事だよ」。

 今回の大会で初めて来日するというユリアン氏は「歴史の深い国で楽しみ。4日間の滞在予定を延ばして、1週間いることにしたんだ」と最後に表情を崩した。プレッシャーの大きい仕事だからこそ、プライベートな時間もより貴重なものになっているのかもしれない。

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