◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 勇敢なその走りに、思わず拍手した。3月1日に阪神競馬場で行われたチューリップ賞。

ここに地方の佐賀競馬場からサキドリトッケンが参戦した。昨年の6月にデビューし、8戦6勝2着2回。佐賀の重賞を5連勝してJRAに乗り込んだ。

 以前は地方所属馬がJRAの重賞を勝つこともあったが、トラストが勝った2016年の札幌2歳Sを最後に重賞勝利はない。サキドリトッケンは芝を走るのも、前日に長距離輸送してからの競馬も初めて。不安要素も多かった。

 それでも、パドックではピカピカな馬体と、438キロという体重以上に力強い脚さばきが目に付き、初めての場所でもしっかりと歩いていた。この遠征のために、馬も陣営も入念に準備をしてきたことがうかがえた。

 レースでは出遅れて後方からの競馬になったが、直線で脚を伸ばし、勝ち馬から0秒6差の11着。着順はともかく、ラストの600メートルの末脚は33秒2。メンバー中でも3位タイという立派なもので、多くの競馬ファンにもその名が知れ渡った。

 同馬の馬主名義は三岡有香さんだが、夫でJRAにも馬を所有している陽さんがSNSで同馬について発信している。

陽さんとはかなり昔に、大井競馬場で一度、話をさせてもらったことがある。気さくで人間的にも魅力のある人だ。1999年のフェブラリーSを、岩手所属のメイセイオペラが勝った瞬間を現地で見た私は、地方馬の活躍にロマンを感じずにはいられない。サキドリトッケンの今後から目が離せない。(競馬担当・山下 優)

 ◆山下 優(やました・ゆう)2023年入社。大阪本社の中央競馬本紙予想担当。実はロマン派。

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