日本サッカー協会は19日、英国遠征(スコットランド戦、イングランド戦)に臨む日本代表メンバーを発表した。北中米W杯メンバー発表前最後の活動で、右膝負傷による長期離脱を経て、アヤックスで実戦復帰した冨安健洋(27)が24年6月以来、1年9か月ぶりに招集された。

W杯優勝を掲げる森保ジャパンに、冨安復帰がもたらす好影響をサッカー担当の岩原正幸キャップが「占う」。

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 長く右膝のけがに悩まされた冨安が1年9か月ぶりに森保ジャパンに戻ってきた。今冬加入したオランダの名門アヤックスで2月1日のリーグ戦で24年10月(アーセナル時代)以来の公式戦出場を果たすなど、復帰への階段を上がっており、直近の試合(14日)では先発出場していた。

 森保監督はともにけがからの復帰となった冨安、伊藤洋について「彼らのポテンシャルを考えればコンディションが良ければW杯で戦うことは当然あり得る」とし、冨安には「W杯も経験、世界トップクラブでもプレーし、ハイクオリティーを知る選手」と賛辞。さらに「選手生命に響くようなけがだったかもしれない。チームではなく、まずは自分がしっかりプレーしてほしい」と期待した。

 DF陣には選外となった板倉滉(アヤックス)らけが人が多く、この状況で冨安を手元に置き、状態を確認できることは、指揮官にとって大きい。24年1~2月のアジア杯8強敗退後には「熱量が足りない」とチーム全体への思いを訴えるなど、世界基準のプレーだけでなく、リーダーシップを兼ね備える熱い男。日本代表では前回W杯で主将だったDF吉田麻也以降、守備陣に不在だった強烈な統率力を発揮できるのが冨安だ。

 戦術面でもプラスに働く。187センチ、84キロの冨安は恵まれた体格に加え、1対1の強さ、精度の高いロングパスも武器。現状の森保ジャパンでは軸となる3バックに入ることになるが、所属クラブではサイドバックをこなす冨安の復帰で、4バックの採用などオプションも広がる。

悲願のW杯優勝達成に向けての大きなピースとなる。英国遠征に向けては「元気な姿を見せられたら最高のシナリオ」と描いていた。ロンドンを本拠地とするプレミアリーグ・アーセナルで4年間実力を示してきた男が、聖地ウェンブリーで復活した姿を見せる。

 ◆冨安の負傷経過メモ(21年夏のアーセナル加入後)

 ▼21―22年シーズン ふくらはぎ、ハムストリングの肉離れなどで離脱

 ▼23年3月 右膝を手術

 ▼24年8月 2度目の右膝手術

 ▼同10月5日・サウサンプトン戦で6分間出場を最後に実戦から遠ざかる

 ▼25年2月 3度目の右膝手術(回数は公表分のみ)

 ▼同7月 契約を残す中、本人、クラブが双方合意の上でアーセナルと契約解除

 ▼同12月 アヤックスへ半年契約での入団が決定

 ▼26年2月 エクセルシオール戦で484日ぶりの公式戦出場

 ▼同3月 スパルタ戦で664日ぶりの先発出場。後半24分までプレー

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