◆センバツ第3日▽1回戦 日本文理8―1高知農(21日・甲子園

 12年ぶり6度目の出場となる日本文理(新潟)が21世紀枠で出場した高知農に大勝し、初戦突破した。センバツ勝利は2011年以来、15年ぶり。

甲子園で新潟勢が高知勢に勝ったのは、42年ぶりとなった。

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 つないで、つないで、白星を奪った。日本文理の主将・渡部倖成三塁手(3年)はゲームセットの瞬間、拳を握り、笑顔で整列に加わった。10安打8得点の快勝劇。試合を終えたキャプテンは快活な表情で語った。

 「小さい頃から見てきた甲子園。泥臭く、元気にやっていこうと、みんなには伝えました」

 打線に火をつけた。0-0で迎えた2回先頭。中前安打を放ち、好機を演出。1死一、三塁、エースの染谷崇史(3年)の右犠飛で、先制のホームを踏んだ。5回、リードが5点に広がり、なおも1死三塁。左前適時打でダメを押した。

2安打1打点と仕事を全うし、「打点を稼ぐのはもちろんですけど、その後にしっかりつなぐことを意識してやっていました」と胸を張った。

 チームの「つなぐ」意識は、2009年夏の甲子園決勝で中京大中京を苦しめ、準優勝となった先輩たちからの“伝統”だ。一歩及ばず、9-10で敗れたが、9回2死から5点を奪って猛追し、ABCの実況アナが「日本文理の夏はまだ終わらな~い!」と叫んだあの一戦は、名勝負として語り継がれる。

 渡部は言う。

 「入学してから、そういう偉大な選手たちがいたんだと、ずっと耳にしていた。その先輩たちを超えないと、日本一にはなれない。日本文理の打撃は“つなぐ”バッティング。受け継がれていると思います。あの時、僕らは1歳でしたが、動画も新潟県人なら1度は見たことがあるし、県外の人も入学してから1度は見ていると思います」

 大甲子園で先人の教えを実践し、そして勝った。

 チームは甲子園入りの直前、徳島・阿南市で合宿した。地元の人々は温かくもてなし、阿波踊りを披露してくれた。するとナインも阿波踊りにチャレンジ。

部員たちはその効果に「下半身が強化された」「バッティングの時の“割れ”に繋がった」「チームに一体感が出た」と証言。渡部の阿波踊りにも「キレキレでしたね」と称賛した。勢いは見事に、聖地での躍動を生み出した。

 2回戦は花咲徳栄が相手。「一戦一戦戦っていくだけ。日本文理の目標は全国制覇。自分たちの野球をしっかりとやっていきたい」と渡部。日本文理の春はまだ、終わらない。(加藤 弘士)

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