高松宮記念追い切り(25日・栗東トレセン)

  第56回高松宮記念(29日、中京)の追い切りが25日、東西トレセンで行われた。G評価は、栗東・坂路でラスト1ハロン最速を計時したナムラクレア。

ラストランでG1初Vを飾る準備は整った様子だ。

 ラストランが惜しまれるくらい、絶好の動きだった。ナムラクレアは長谷川調教師とともに、朝一番の栗東・坂路へ。ゴールが近づくに連れて回転数を上げると、最後も持ったままでパワフルに駆け上がった。時計は53秒0―11秒6で、ラスト1ハロンはこの日の最速。現役最後の追い切りを、完璧なデモで締めた。長谷川師は「非常に雰囲気が良かった。申し分ないと思います」と背中越しの感触をかみしめるように話した。

 前走の阪神Cは上がり最速の33秒2で追い込んだが、勝ち馬と競り合いの末、鼻差の2着。「離れたところから、びっくりするくらいの脚をみせた。長く脚を使ったぶん、負けた感じですね」と負けて強しの競馬だった。

 放牧を挟んで、2月22日から追い切りを開始。

4日、11日、18日と3週続けて坂路で51秒台を連発しているように、密度の濃い調教を積んで、攻め抜いた。「タフなレースを経験したにもかかわらず、気持ちが折れないのが最大の武器」と指揮官は評価する。7歳の春でも、全盛期と何ひとつ変わらず、いい状態で大舞台に臨める。

 高松宮記念は3年連続2着と、文字通りあと一歩の競馬が続いている。特に昨年のレース後は、しばらく言葉が出てこないほど、トレーナーは悔しがっていた。「何とか最後にいい結果を迎えたいですね。クレアと浜中騎手のレースを、温かく応援してもらえたら」。多くのファンの声援、そして厩舎と騎手の思いを乗せて、クレアは最後まで全力で走り切る。11回目のG1挑戦で、大団円を迎える準備はできている。(山下 優)

 浜中に聞く

 ―ラストランを前にしての心境は。

 「人馬ともに無事に、レースにたどり着ければいいなと思います」

 ―久々の騎乗依頼を受けたときの気持ちは。

 「感謝の気持ちでいっぱい。

最後の手綱を任せてもらえて、期待に応えたい気持ちが強い」

 ―中間の追い切りでまたがった感触は。

 「いい動きをするな、と。いつも通りのナムラクレアでしたね。また乗れてうれしいなと思いました」

 ―勝ち切るためのポイントは何か。

 「枠や馬場を見ながら、作戦を考えたいです。長所の瞬発力を引き出せるようにアプローチしたい。かわして1着でゴールするのが理想です」

 ―ナムラクレアに対する思いは特別か。

 「オーナーや厩舎の思いもありますし、何とかクレアにG1を取らせたい。僕もいちファンとして、クレアにG1を勝ってほしい。一緒に楽しんで走りたいですし、それでいい結果だったらと思います」

 

編集部おすすめ