感謝の思いを胸に送り出す。3月4日に新規開業した柴田調教師=栗東=が、フィオライア(牝5歳)でG1に初挑戦する。

今春に定年解散した西園正都厩舎から引き継いだファインニードル産駒。2月には16番人気でシルクロードSを制し、西園元調教師に最後のタイトルを届けた実力馬だ。同厩舎の担当スタッフが引き続き手掛けており、「手探りという部分はあまりないですね。真面目でスピードがありますし、典型的な走る牝馬だと感じています」と手応えを深めている。

 助手時代は3厩舎で研さんを積み、技術調教師としての1年間は、小栗厩舎に籍を置きながら、杉山晴、高柳大、武英、矢作調教師ら多数の先輩トレーナーからサポートを受けた。14日の阪神1R(シャンデヴィーニュ)で2戦目にして初勝利。「いろいろな方の支えがあっての結果」と感謝し、「早く一勝したいという気持ちは、絶対にいい方には働きませんからね。自分も、スタッフさんの肩の荷も下りたと思います」。厩舎を軌道に乗せる大きな初白星だった。

 厩舎運営のモットーは「全員が同じ目標に向かって」。その目標とは突き詰めると強い馬をつくること。活躍がファン、馬主、生産者の喜びにつながり、種牡馬、繁殖入りなど馬自身の将来の幸せに結びつくという考えだ。

「それがホースマン、厩舎人としての役割なのかなと思います。自分の思っていた以上に厩舎がうまく回っている感じ。ひとえにスタッフさんが一生懸命、自主的に働いてくれるのが大きいですね」。積極的に意見を交わし、掲げたスローガン通りの運営ができていると実感する。

 開業から約3週間で早くも巡ってきた大舞台。「本当にオーナーさんと、今までこの馬を育ててくれた西園先生に感謝しかないですね。しっかりと、いい状態でフィオライアを競馬にもっていきたい。変な気負いもないし、メンバーは強力ですが楽しみですよ」。期待を込め、本番まで丁寧に仕上げていく。(山本 理貴)

 ◆柴田 卓(しばた・すぐる)1980年5月18日生まれ。兵庫県出身。45歳。

帯広畜産大では馬術部に所属。07年にJRA競馬学校厩務員課程に入学し、08年2月に栗東・荒川義之厩舎で厩務員となる。同年4月から調教助手。栗東・池添兼雄厩舎、栗東・小栗実厩舎を経て今年3月に栗東で開業。祖父の和田共弘氏、伯父の和田孝弘氏はシンボリ牧場の元代表。

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