◆センバツ第10日 ▽準決勝 専大松戸2―3大阪桐蔭(29日・甲子園

 完全に盗んだ。聖地を埋め尽くした3万9000人の大観衆の視線は、専大松戸の二塁走者・吉岡伸太朗(3年)に注がれた。

 1点を追う8回1死二塁。大阪桐蔭の2番手左腕・川本晴大(2年)が投球すると、180センチ、95キロの巨体を揺らして三盗を決めた。2死からは7番・苅部礼翔(2年)の左越え適時二塁打で1度は同点のホームイン。プロ注目の捕手が、足でも魅了した。

 「二塁走者を警戒していなかったので、自分にけん制はないと、思い切って走りました」

 走攻守全てに躍動した。不動の4番は3回、中前安打を放つなど、全4試合でヒットを記録。11打数6安打の打率5割4分5厘と暴れ、同校初となる甲子園4強の原動力になった。リード面でも門倉昂大、小林冠太の2投手をけん引。北照、九州国際大付、山梨学院と昨秋の地区大会王者3校を撃破し、ベスト4に上り詰めた。「強豪校を蹴散らしてやれたのが、自分たちの中で大きな成長」と胸を張った。

 大甲子園で得た確かな手応え。「4強に入れて、自信になった。

プロを目指してもいいかなとだんだん思ってきています」と高卒即プロに照準を絞った主砲。さらに強くなって夏、必ずここに帰ってくる。(加藤 弘士)

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