◆JERAセ・リーグ 巨人6―12阪神(29日・東京ドーム)

 力みのないスイングとは裏腹に、ダルベックの打球はグングンと伸びていった。「感触は良かったです。

いつもコンパクトに振ることを意識しているので、それができたと思います」。2点を追う5回1死一塁で真ん中高め148キロ直球を捉えて一時同点の2号2ラン。巨人の4番が開幕3戦目までに2本塁打をマークするのは17年の阿部慎之助以来と、第97代の主砲として満点の船出となった。

 試合中盤まで新4番の独壇場だった。初回2死二塁で右中間へ先制適時二塁打を放つと、4点を追う3回1死満塁は低めに沈むツーシームを見極めてきっちり押し出し四球を選んだ。「ストライクゾーンの違いも野球の一部」と、来日したての助っ人が苦しむ日米の差にすっかり順応。序盤から大量ビハインドの劣勢を、4打点で押し返した。

 日本野球への敬意があるからこそ、適応も早い。守備に就く際に右翼スタンドから起こる「ボビー」コールには、右手の中指と人さし指を立てて応えるのが恒例。喜びを表すピースサイン、かと思いきや「あれは敬礼なんです」。応援してくれるファンに敬意を表し、ボーイスカウトなどで用いられる「二指の敬礼」でアンサー。東京Dの大歓声が、異国の挑戦で心の支えになっている。

 メジャー2冠王の“魂”を胸に戦う。登場曲の「Cult Of Personality」は、MLBで昨季本塁打王&打点王に輝いたフィリーズ・シュワバーにあやかって選んだものだ。21年にレッドソックスで同僚となり「野球選手としても人間性も尊敬しています」と、フルスイングを貫くプレースタイルと熱い闘争心が野球人としての道しるべとなった。26年WBC米国代表にも選出された大砲のように、新天地でアーチ量産を目指す。

 自前のメモ帳に投手の特徴を書き留めている真面目な新助っ人。開幕3連戦で2発5打点と最高の滑り出しに「オープン戦で得た知識や経験を生かせるようにやっているので、一日一日、良くなっている」と自信も芽生えている。(内田 拓希)

村田真一Pointo ダルベックが打線では、開幕カード最大の収穫かな。3連戦で2発5打点。この試合も先制打に同点2ランでしょ。打っている場面もええよね。今は甘い球をしっかり捉えることができている。どんなええ打者でも、きっちりと投げ分けられたらそうは打てん。

甘いのをいかに仕留められるかが勝負よ。初回の二塁打も甘い高めのカットボール。5回の同点2ランも甘く入った高めの直球でしょ。これから調子の浮き沈みはあるやろうけど、センターから右へ打ち返す自分の打撃の形を崩さず甘い球は確実に仕留めて、4番として1年間完走してほしいよね。

記録メモ ダルベック(巨)が3試合続けて4番打者で先発出場。5回には一時同点となる2号2ランを放つなど、4打点をマークした。巨人の4番が開幕戦から3試合で本塁打を2本以上は、17年の阿部慎之助以来、9年ぶり。中日との開幕3連戦で初戦の1回に先制2ラン、2戦目の9回に逆転サヨナラ3ラン。阿部は3試合で11打数6安打の打率.545、2本塁打に8打点の活躍だった。

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