【日本代表担当・金川誉】前日練習が行われた聖地・ウェンブリーのメディアセンター。英スカイスポーツの画面には『WORLD CUP BREAKOUT STARS』の文字が躍っていた。

2026年北米W杯で爆発が期待される新星として、ライプチヒのコートジボワール代表FWヤン・ディオマンテ(19)、バイエルンのドイツ代表MFレナート・カール(17)らと共に、日本代表FW上田綺世(27)が並んだ。

 番組内では、今季上田がフェイエノールトで積み上げた22ゴール(リーグ戦)が詳細に分析されていた。右足12点、頭8点、左足2点。ペナルティーエリア外からの得点は1で、ゴール前で勝負するストライカーらしいデータが紹介されていた。この放送を経て、上田は日本代表の点取り屋として、イングランド戦でも同国ファンの注目も集めることになるだろう。

 一方、イングランド代表はFWハリー・ケーン(32=バイエルン)を擁する。バイエルンでの今季リーグ戦ゴール数は31と、上田を大きく上回る。右足17点、頭7点、左足5点。ただPKで10点を奪っており、流れの中で奪ったゴールは21点だ。

 当の上田は、ケーンについてどう見ているのか聞いてみた。「世界トップクラスだと思います」と短い答えが返ってきた。さらに中盤で試合をつくる能力などについて、上田もああいったプレーをしてみたいのか、というという問いにはこう続けた。

 「別に思わないです。別に思わないというか、誰でもできることじゃない。技術があって、サッカーセンス、IQも高い。その上で幅広いプレースタイルがあると思います。別にしたいかしたくないかというよりも、できないです、単純に」

 それは万能型への憧れを捨て、ストライカーとしての純度を高めてきた者だけが持つ矜持にも聞こえた。ケーンという完成形を追うのではなく、自分にしかできない「ゴールの奪い方」に特化する。その覚悟が、今の彼を支えているように映る。

 オランダで磨き上げたポストプレーと、左右両足、そして「世界基準」のヘディング。PKを除けばケーンをも上回る22得点の実力は、イングランド相手に通用するのか。その解答は明日の聖地のピッチで、証明されることになる。

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