サッカーJ2横浜FCの下部組織、横浜FCジュニアユースでは、昨年から出版社の「游藝舎(ゆうげいしゃ)」が発行する「SOCCER NOTE―自分と向き合うサッカーノート―」を使用している。昨年試験的に導入し、選手、コーチ両者からともに好反応を得たことで、今年度からは中1を対象に本格導入を決めた。
デジタル化が進む現代社会で、なぜサッカーノートなのか―。横浜FC・菊池彰人アカデミーダイレクターは「子どもたちの考えを引き出すツールを模索しながらやっている中、すごくアナログだけど、目標設定やそれに対して主体的に取り組んでいることを子どもたちに書いてもらい、コーチが赤ペンで添削することが、子どもたちには新鮮だったようで。現場のコーチにもヒアリングをしたら(継続して)取り組みたいということでやってみようとなりました」と明かした。
同ジュニアユースでは、数年前から個人が成長するために、IDP(個人の能力開発計画)のアプリケーションを使用しているが、スマホなどに「打ち込む」作業とは違い、サッカーノートを「書く」ことで、選手の個性が文字を通して見えるようになったという。
実際に現場で指導にあたる横浜FCジュニアユースの佐藤幹太コーチが「選手自身が練習や試合で見つけた課題を書いてもらうようになって、それを練習の中で意識しているなとか、変わってきたなというのを感じることが多くなりました」と話せば、同鶴見ジュニアユースの伊藤柾(まさき)コーチも「書いてもらうことで、選手がどんなことを考えているのかが見えてくる。今まで分かっていなかったことまで感じられるようになりました」と効果を実感している。
サッカーノートは週1~月1回提出。コーチは目を通した後、必ず選手に返却するため、その時に自然と会話が生まれ、双方向のコミュニケーションツールにもなっているという。菊池ダイレクターも「個人、個人でキャラクターがあるので、書く作業によって、デジタルで分からなかった部分が前面に出る」、「書いて、メッセージをもらって、話しをする。一方通行ではないので、客観的に見ていても、現場のコーチと選手の関係性をより深くするものだなと実感します」と、“サッカーノート効果”を強調した。
横浜FCで導入した「SOCCER NOTE」―には、目標設定欄(短期・長期)や、試合日に記入するデータ(相手、結果、試合内容、タイムスケジュール等)、トレーニングデータなどを記入するページがある。游藝舎の清水颯・取締役が「なるべく書きやすいデザインになっています。
サッカーノートを導入し、願うのはもちろん選手たちの成長だ。
佐藤コーチ「深く自分でサッカーを考えるような選手になってほしいです」
伊藤コーチ「ただプレーするのではなく、頭を使ってプレーしてほしいなと。そのための一個のツールにしてもらえたら」
選手―コーチだけではなく、選手―親のコミュニケーションツールにもなっているというサッカーノート。デジタル社会の今だからこそ、書くことによって育まれるものがある。(サッカー担当・後藤亮太)

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