ノルディックスキー・ジャンプ女子で2月のミラノ・コルティナ五輪混合団体で銅メダルを手にした高梨沙羅(クラレ)がこのほど、都内でスポーツ報知の単独取材に応えた後編をお届けする。今年10月で30歳を迎える思いや、若手の台頭などについて語った。

 ―今年の10月で30歳を迎える。

「10代から世界を回らせていただいていますが、そこから考えるともう十何年もたってしまったんだなという感じではあります。ジュニアの頃に背中を見ていた30代の先輩たちは、本当に大先輩っていう感じがしました。ただ、やっている身としては30代になってもベテランとかそういう感覚ではないですね。まだまだ学ばなきゃいけないところもありますし、気持ちは若手の頃と変わらない。周りの反応は変わってきますけどね。同じように飛んでいて、まだまだ改善できるところがあればという、少しでもヒントが落ちていたらっていう感じでやっています。このスタイルで満足していますっていう感じではなくて、日々アップデートしなきゃいけない部分が多いスポーツなので。自分のスタイルっていうものがない選手でもあるかなと思うので、探し続けていきたいなって思います」

 ―30代のテーマは。

「対応力! その場の環境に対応できる選手が強いなと思っているので。新しいルールであったりとか、そうものにしっかり対応できる選手になりたいですね」

 ―支えるモチベーションは。

「なんだろう。

今回においては、やっぱり4年前にそういうこと(失格)がありながらも、一緒に変わらず飛んでくれた(伊藤)有希さん、(佐藤)幸椰さん、(小林)陵侑はじめ日本選手の皆さんとか、チームの人たちとか、そういうサポート、支えがあったからこそここに戻ってこられたというがあったので、やっぱりそこ(混合団体)を取りたいっていう強い気持ちがありました。遠征中、スキージャンプは毎週末、違うところで試合があって、家族よりも一緒にいる仲間。支え続けてくれていたから私も飛べました。変わらずにずっといてくれたので、メダルを持って日本に帰ってこられるようにというのは一番考えていたところ。個人は頭にはなくて、団体でというのは、4年前のことはなんて言葉で表現したらいいかわからないですけど、償いとしてそこはずっと考えていました。忘れてはいけないですし、忘れることはないですが、それをしっかり教訓にできたと思います」

 ―社会貢献にも積極的。ジャンプ以外で今後取り組みたいこと。

 「スポーツはみんなが一つになれる場所だと思っているので、そういうところで少しでもなにかできることがあればと思ってやっています。スキージャンプベースにはなってしまいますが。デフリンピックのサポーターとか、障害のある子供たちにクリスマスをちょっと楽しんでもらうために、クリスマスケーキを贈ることであったりとか。今、やっていることはありますが、もうちょっとその幅を広げていきたいなと思います。手話であったりとか、もうちょっと学ぶべきところはたくさんあるかなと思っています。

そういうところにも目を向けられたらいいのかなと思います」

 ―ジャンプの裾野を広めたい。

 「(社会貢献で交流した)彼らも今まで私と交流することがなければ、スキージャンプというものを見る機会はなかったというか、あんまり興味もなかったと思います。そこから応援してくださるようになったので、スキージャンプというものが楽しくて、興味が持てるものだと分かってもらえるような場があったらいいのかなとは思います。スキージャンプはやろうと思ってできるものではないので、きっかけがないと知ることができないスポーツだからこそ、今いろんなところでちょっとでもきっかけに触れるようなことができたらいいなと思います」

 ―25~26年シーズンは「与えられる選手に」と言っていました。

「今まで本当にたくさんの支えであったり、応援をいただいてきたので与えられるものが少しでもあるんだったら活動したいなと思っています。それはずっと根底にあります」

 ―ジャンプの一番の楽しさは。

 「やっぱり、2本のスキー板で空を飛べるところじゃないですかね。本当にいい状態の時は、後ろからこう、つられるような感じ。どこまでも高く進んでるみたい。本当に飛んでいるなっていう感じがします。見てる人からすると落ちてるだけなんですけど、飛んでるなっていう感覚になれる瞬間はあります。それが一番ですね」

 ―若手がどんどん台頭してきています。

「そういうスポーツなので、楽しみですね。毎年やっぱり違う選手が出てくるので。その子の成長を見られてる感じがして。去年あんな飛び方していたのに、全然変わったなぁって」

 ―日本勢も若手が背中を追っている。

 「多くの若手選手が花開いてきたと思います。でも、そうでないとやっぱり発展がないですよね。同じ選手がずっと活躍していても、盛り上がるものではない。どんどん、そういう選手が出てくる世界の方が面白いと思います」

 ―そのなかでどんな戦い方をしていきたい。

 「私はまずはテレマークを安定的に入れることですかね」

 ―今季の目標を。

 「世界選手権(27年3月)に向けて頑張っていきたい。メダル、表彰台を目指してやっていきたいです」

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