伝統芸能を継承する「国立劇場養成所」の新研修生を迎える入所式が10日午前、都内で行われた。

 12人の新研修生のうち、歌舞伎俳優を志す第31期生は6人。

昨年の3倍で、歌舞伎を扱った映画「国宝」(李相日監督)の影響も少なからずあった様子。一般家庭から歌舞伎俳優を目指せる唯一の養成所として注目を集めてきた。

 講師として率いる歌舞伎俳優・中村萬壽は「熱心に指導するあまり、厳しい言葉が出ることもあるかもしれません。それは皆さんを早く一人前にしたいと思うから。一生勉強。講師の先生方はその道の一流の方ばかり。分からないことは質問してほしい。そして授業の復習を。その日夜に必ず復習することで、早く成長できると思う」などと祝辞を述べた。

 式後、萬壽は今年は6人に増えたことについて「多いとは思っていない。昔は20人以上受けに来て、半分くらい落とした時期もありましたから」といい、「研修の1年目が特に大事。6人いれば、いろいろ出来ることも増えるでしょう」と来週から始まる授業内容に考えを巡らせていた。

 「国立劇場養成所」は1970年開始。歌舞伎俳優研修生は2年間かけて演技、発声、所作、衣装の着付け、化粧とあらゆる歌舞伎の基礎を学び、プロとしてスタートラインに立てるまでに育てる。現在約300人いる歌舞伎役者の約3分の1は養成所出身者で占められており、不可欠な存在だ。萬壽を中心に、中村芝翫らが講師をつとめている。現在、国立劇場が閉場中のため、研修は東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われている。研修の様子はYouTubeでも紹介されている。

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