教育現場の働き方改革は、掛け声に比べて実態が追いついていない。ITサービスを手がけるシステックITソリューション株式会社が全国の中学・高校教職員1,010人を対象に実施した調査から、現場の厳しい状況が浮き彫りになった。
勤務校で働き方改革が「進んでいない」と感じる教員は約7割に上る。「全く進んでいない」が17.3%、「あまり進んでいない」が52.2%と、制度と現場の実感との間に大きな隔たりがある。
背景にあるのは、依然として重い業務負担だ。残業時間は月30時間未満が約6割を占める一方で、4割は30時間以上と長時間労働にさらされている。業務の中でも時間を圧迫しているのは「授業準備」(42.2%)、「成績処理」(33.7%)、「学校行事の準備・運営」(31.9%)と、本来業務と事務作業の双方が重なっている。
こうした状況は、教員の意欲にも影響している。「多忙さが原因でやりがいが低下した」と感じる教員は約8割に達した。教育の質を支えるべき準備や指導の時間が、結果的に負担としてのしかかっている構図だ。
打開策として期待されるのがデジタル化である。校務支援システムの導入によって削減できる業務時間は「月5時間未満」とする回答が最多で、全体の約8割が「15時間未満」の削減を見込むなど、現実的な改善を期待する声が多い。また、約6割が残業削減効果を見込んでいる。
ただし、効果の捉え方には立場による差もある。
興味深いのは、効率化によって生まれた時間の使い道だ。最も多かったのは「休息・プライベートの充実」(22.4%)で、「授業改善」(21.2%)や「生徒とのコミュニケーション」(20.1%)が続いた。疲労の蓄積が深刻である一方、本来重視すべき教育活動に時間を振り向けたいという意識も根強い。
現場が求めているのは、単なる時間短縮ではない。人員不足の解消に加え、業務フローの見直しや非効率な校務の削減といった構造的な改善だ。システム導入も含め、何を人が担い、何を仕組みに委ねるのか。その再設計が、働き方改革を実感に変える鍵となる。

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