陸上男子長距離で3月に駒大を卒業した佐藤圭汰(22)=京都陸協=が10日、スポーツ報知の取材に応じ、拠点に米国を選んだ理由や今後の目標を語った。佐藤はこの日、金栗記念選抜陸上中長距離大会(11日、熊本)前日練習に参加した。

 新しいスタートを切る佐藤の胸は高鳴っていた。金栗記念の1500メートルに出場し、同20日には渡米予定。ナイキ創設の「Swoosh TC」(米国・アリゾナ州)でマイク・スミス氏に指導を仰ぐ。「大学1年の冬に海外チームの練習に参加させてもらい、1500メートルや5000メートルのスピードにフォーカスした海外チームで、自分は世界に近づけると思いました。まず(28年)ロサンゼルス五輪までは1500メートルと5000メートルで勝負したい。自分は若い世代の選手から憧れられる選手になりたい」。

 1500メートルで日本歴代7位、3000メートルと5000メートルで室内日本記録を持ち、長く世代トップを走ってきた。米国では、同じチームで24年パリ五輪1万メートル代表のニコ・ヤング(米国)、昨年の全米選手権1500メートル2位のイーザン・ストランドらを追いかける立場に変わる。「1500、3000、5000メートル(の持ちタイム)は向こうに行ったらダントツ一番下。でもワクワクしています。自分が上の立場のチームより、一番下のチームの方が燃える。一番下でスタートして『絶対にこの人に勝ってやろう』ってずっと継続できれば、いつかは世界レベルの選手になっていると思います。

頑張りたいなと思っています」。

 練習に当たって、必須項目は「自己主張」という。「練習メニューは提示されますが、『体の状態は一人一人違う。ちゃんとコミュニケーションを取って欲しい』とすごく言われています。『今日はこのペースで行きます』とか、逆に疲労がたまっていたら『(ペースを)落とさせて下さい』とか。指示されただけじゃなく、自分で考えてやらないといけない」。

 22年に駒大に進学し、トラックレースを中心にレースに出場したが、もちろん学生3大駅伝でも大いに活躍した。出雲駅伝は1、2年時に2区区間賞、全日本大学駅伝は2年時に2区区間新記録。箱根駅伝は3年時に7区、4年時に10区で共に区間新記録を樹立した。大学時代に長い距離で脚を作った経験は確実に今後に生きる。「有酸素ベースが4年間でしっかりと培われたことはすごいアドバンテージだと思っています。1500メートルや5000メートルをやるにしても、有酸素ベースで無ければ後半は絶対に落ちてしまう。

速いペースを維持できない。有酸素をメインとした4年間を過ごしたことは、すごく大きいと思っています」。

 今シーズンは6月の日本選手権、9月のアジア大会(共に名古屋)が国内の主要レース。それ以外は海外をメインに経験を積んでいく予定だ。「アジア大会はもちろんメダルを獲得したいですし、理想はそういう結果。でも、大学1年目に苦労したように、アメリカで全然違う環境になるので、環境に慣れることは相当大変だと思う。まずは結果というより練習や生活の流れをしっかりつかんで、故障しないこと。練習をずっと継続することを目標にっていうことを、第一に考えています」。フレッシュマンは新しく、大きな一歩を踏み出した。(手島 莉子)

 ◆佐藤 圭汰(さとう・けいた)2004年1月22日、京都市生まれ。22歳。洛南高3年時に1500メートル、3000メートル、5000メートル(当時)で高校日本記録。

22年に駒大に進学し、23年アジア大会(杭州)5000メートル6位。24年1月に5000メートルで13分9秒45、同2月に3000メートルで7分42秒56と連続で室内日本新記録。箱根駅伝は2年時3区2位、3年時の7区、4年時の10区でともに区間新記録。今年3月に駒大を卒業した。184センチ69キロ。

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