◆JERAセ・リーグ 中日―阪神(10日・バンテリン)

 阪神ナインがグラウンドに飛び出した。藤川球児監督(45)も人工芝生上で両手をたたいて、感情を爆発させた。

「9回の虎」が竜に牙をむき、2点ビハインドからの大逆転。「最後に束になって、みんなが連動してくれましたね」。昨季のセ覇者がシーズン13試合目にして、今季初の首位に立った。

 打線に火をつけたのは、主砲の佐藤だ。1―3の9回先頭。守護神・松山から右翼線に運ぶと、二塁ベース上で三塁ベンチに向かって「カモン!」と言わんばかりに両手であおった。サトテルの珍しい、その姿は23年のWBC準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラを呼び込む二塁打を放った大谷さながら。この一打が空気を変えた。

 続く大山が中前適時打。わずか3球で1点差に迫り、2死一、三塁となってから代打・前川が右翼線へ今季初安打となる同点二塁打だ。「お父さんとおばあちゃんが来ていて、いいところを見せられた」。さらに、右翼手がファンブルする間に一塁走者も勝ち越しのホームを駆け抜けた(記録は適時失策)。

終わってみれば、5安打4得点のビッグイニングとなった。

 これが、今年の球児阪神だ。4日の広島戦(マツダ)はクローザーの森浦を攻略。3点を奪って試合を振り出しに戻し、延長戦の末に白星をつかんだ。イニング別の得点は9回が最多の11。終盤の2盗塁でプレッシャーをかけるなど、攻めのタクトも土俵際の粘り強さにつながっている。

 チームは今季最多の貯金5とし、11日に開幕5カード連続の勝ち越しを狙う。「相手にプレッシャーをかけ続け、ベンチ全員で戦いながら。あしたはデーゲームなんで早く寝ましょう(笑)」と指揮官。球団初のセ・リーグ連覇へ、歩みを止めない。(小松 真也)

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