今年1月の第102回箱根駅伝14位で21年ぶりにシード権(10位以内)を逃した東洋大は11日、東洋大OBで2012年箱根駅伝優勝メンバーの山本憲二氏(36)がコーチに就任したことを発表した。

 山本コーチは2008年に石川・遊学館高から東洋大に入学。

「2代目・山の神」と呼ばれた柏原竜二さん(36)らと同期。箱根駅伝には3年時の2011年に初出場し、アンカーの10区を担った。2位でタスキを受けた山本コーチは区間賞の激走で、首位を走る早大を猛追したが、大会史上最少差の21秒の僅差で3連覇を逃した。その悔しさを忘れないために酒井俊幸監督(49)は「その1秒をけずりだせ」という言葉を生み出した。

 翌12年の箱根駅伝で山本コーチは3区に出走。首位でタスキを受け、一時は早大に並ばれたが、終盤、まさに「1秒をけずりだす」力走で早大を突き放し、2年ぶり3度目の優勝に大きく貢献した。その大会以降、東洋大のスローガンとして定着した「その1秒をけずりだせ」の体現者が山本コーチだ。箱根駅伝で21年ぶりのシード権を逃し、巻き返しを図る今季の東洋大にとって、最も頼もしいコーチと言える。

 山本コーチは12年に卒業後、マツダに入社。マラソンで力を発揮し、19年と23年、2度のMGC(五輪マラソン日本代表選考会)に出場した。ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)でもエース区間などで活躍。今年2月の全日本実業団ハーフマラソン(1時間4分49秒で129位)を最後にマツダの選手としては競技の第一線から退いたが、高い走力は健在で、選手と一緒に走りながら指導する。

マツダから母校に出向して、恩師でもある酒井監督をサポートし、東洋大の復権に尽力する。

 ◆山本 憲二(やまもと けんじ)1989年11月17日、広島県出身。2008年、石川・遊学館高から東洋大に入学。学生3大駅伝は2年時に出雲駅伝2区6位、3年時に箱根駅伝10区区間賞、4年時に全日本大学駅伝6区区間賞、箱根駅伝3区2位。2012年に卒業し、マツダに入社。MGC(五輪マラソン日本代表選考会)に2回連続で出場した。今年2月に現役引退を表明。自己ベスト記録は、5000メートル13分52秒52、1万メートル28分26秒35、ハーフマラソン1時間1分47秒、マラソン2時間8分38秒。2人の弟の信二さん、修二さんも東洋大駅伝チームに在籍していた。165センチ、53キロ。

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