◆JERAセ・リーグ 巨人2―3ヤクルト(11日・東京ドーム)

 光り輝く「H」ランプ―。歓声に包まれながら平山功太内野手(22)は、小さくガッツポーズして一塁まで走り抜けた。

1点差まで迫った7回2死の第3打席。フォークをうまく拾った。2試合、7打席目で放った中前への当たりがプロ初安打。「ネガティブな部分もあったんですけど最後は切り替えられたのがいい結果になった。記念球はお父さん、お母さんにあげたいと思います」と語った。

 「7番・右翼」で出場。5日に支配下契約を結んだ背番号69は、初回無死二、三塁の守備で鈴木叶の右翼方向へのライナーに「スパイクの歯が引っかかって」と転倒。打球が転々とする間に2人が生還した。それでも7回、2死一、二塁で丸山和の右中間への深い飛球を追いながら背面キャッチ。「やってしまった以上、後半でどうにかという思いがあった」と巻き返した。

 根性は人一倍だ。この日、23年育成7位で入団した当時から昨季まで3軍監督だった駒田徳広氏が東京Dに来場。

記念すべき一打を見届けた恩師は「最初から打撃は直すところがなかった。全部のコース打てるから『首位打者を取れるからそのまま打て!』としか言っていない。『何も教わってない』と言うだろう」と笑いながら振り返った。

 全体練習が終わった薄暗いG球場で一人バットを振る姿が何度も見られた。足を痛めても「大丈夫です」と試合に出たがり、診断の末、肉離れでコーチの方から止められることもあった。大学を中退し、野球を辞めることも考えた。「両親から励まされ、もう1回やるんだったら絶対プロになる」とハングリー精神でここまで走ってきた。

 プロ初安打をマークしても負けず嫌いの平山には笑顔はない。「複雑ですけど、次は自分がチームを勝たせられるように頑張りたい」。ここから一気に花を咲かせる。(水上 智恵)

 ◆平山 功太(ひらやま・こうた)2004年3月16日、広島市生まれ。22歳。

瀬戸内高を経て環太平洋大に進学も中退。独立リーグ千葉スカイセイラーズを経て23年育成ドラフト7位で巨人入団。昨季3軍で56試合出場、打率2割9分、5本塁打、26打点。4月5日に支配下登録。185センチ、82キロ。右投右打。

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