大相撲秋場所7日目(19日、東京・両国国技館)

 大関・琴桜が西前頭4枚目・藤凌駕を肩透かしで退け、6勝目を挙げた。2024年九州場所で優勝して以降、苦戦が続く大関が、11場所ぶり2度目の賜杯へ首位をキープ。

横綱・大の里は西前頭3枚目・美ノ海を押し出して1敗を守った。大の里、琴桜がトップを並走し、綱取りの大関・霧島、大関昇進を目指す関脇・熱海富士、新関脇・藤ノ川らが2敗で追う。

 琴桜の一番は引いても崩れないし、重みもあった。状態は良いのか、立ち合いで踏み込んでいて危なげなかった。あえて厳しく言うが勝ち方に不満が残る。勝っても前に攻めていない。ここまで二本差しを狙うかのような緩い立ち合いから、懐の深さを生かし土俵を上手く使って星を拾うことが多いからだ。土がついた美ノ海戦は一気に押し出されて、全勝している力士には見えなかった。

 膝に不安があるのかもしれないが、上位との星のつぶし合いになる後半戦にこの戦いは通用しない。私は琴桜が横綱に昇進すると信じているが、24年九州場所の優勝から主役の座を明け渡しているのが現状だ。ファンに忘れられているのではないか。横綱を目指すのであれば、立派な体を生かして、大の里のような圧倒的な馬力、そして藤ノ川のような気迫を見せてほしい。

もどかしさは本人が一番分かっているはずだ。(スポーツ報知評論家)

編集部おすすめ