■Q. 「今年のインフルエンザは、夏から流行入りしている」って本当ですか?
「今年はインフルエンザの流行が早く、すでに夏から増えていると聞きましたが、本当でしょうか? こんなに早くにインフルエンザがはやるとは思わず……。大学受験を控えている子がいるのですが、まだ何も対策しておらず、周りでも体調を崩す人が増えてきたので心配です」
■A. 今年は非常に早い流行入りです。
2026年のインフルエンザは例年より早く、8月には全国で流行開始の目安を超えています。1999年からの統計調査開始以来、2番目の早さの流行入りです。
インフルエンザウイルスは目・鼻・口の粘膜から侵入し、感染してから1~4日(平均2日)の潜伏期間を経て発症します。発症前24時間から発症後3日目までが最も感染力の強い時期で、せきやくしゃみによる飛沫、接触を通じて、1人の感染者が周囲の免疫のない人2~3人にうつしてしまうといわれています。
マスクや手洗いは、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐ「入り口」の対策としては有効ですが、それだけで感染を完全に防げるわけではありません。対策は大きく分けて「侵入を防ぐ」「増殖を抑える」「体内のウイルスを減らす」の3段階で考える必要があります。
特に見落とされがちなのが、2段階目の「増殖を抑える」対策です。ここでは、ワクチン接種によって免疫をつけておくことに加え、規則正しい生活や食生活で体自体の免疫力を高めることが欠かせません。加湿器などで室内の乾燥を防ぎ、粘膜の乾燥を防ぐことも増殖抑制につながります。
万が一発症してしまった場合は、発熱後48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用・吸入・点滴することで、体内のウイルスを早く減らすことができます。内服・吸入・点滴の効果に大きな差はないとされているため、早期の受診・治療が何より重要です。
・人混みを避け、外出時はフィルター性能の高い使い捨てマスクを着用する
・帰宅時・食前は石けんで15秒以上、指の間まで丁寧に手洗いする
・インフルエンザワクチンを家族全員で接種しておく
・規則正しい生活、バランスの取れた食事、十分な睡眠を心掛ける
・こまめなうがいや加湿で、喉・鼻の粘膜の乾燥を防ぐ
・発熱後48時間以内に医療機関を受診し、抗インフルエンザ薬の使用を相談する
受験生がいるご家庭では、受験生本人だけでなく同居する家族全員が対策を意識することが大切です。
▼清益 功浩プロフィール小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
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