◆大相撲秋場所13日目(25日、東京・両国国技館)

 元大関で東前頭6枚目・朝乃山が関脇・熱海富士を寄り切り、3敗を守って再入幕から5場所目で初の2ケタ白星に乗せた。単独トップの横綱・大の里が大関・霧島の下手投げに屈したため、賜杯争いで1差に迫り、逆転Vに望みがつながった。

大関・安青錦も大関・琴桜に肩透かしで勝ち、3敗をキープ。14日目に2敗の大の里が琴桜に勝ち、3敗の安青錦、朝乃山がともに敗れた場合、大の里の6場所ぶり6度目の優勝が決まる。

 懐かしい大歓声が朝乃山を待っていた。大関時代に何度も取った結びの3番の土俵。24年名古屋場所で左膝の大けがを負ってから初めて上がり、「国技館で結びの3番は久しぶり。お互いに大歓声と拍手がある中で相撲を取れたのはうれしい」と奮い立った。立ち合いで左前まわしを取り、右をのぞかせて前進。幕内最重量198キロの熱海富士を休まず攻め、寄り切った。

 23年夏場所以来の2ケタ白星に乗せた。単独首位の大の里が敗れ、19年夏場所以来2度目の賜杯に向けても1差に迫った。大関経験者が優勝争いの佳境で見せた底力に、八角理事長(元横綱・北勝海)も「こういう相撲を見せられるとね。まだまだやってもらわないと」とうなった。

 久々に結びの一番まで勝ち残り、大の里の取組を初めて土俵下から見届けた。支度部屋でもその映像を真剣な表情で見つめた。14日目の結果次第で横綱と直接対決が組まれる可能性もあり「もし当たったら思いきりいくだけ」。劇的な復活Vが現実味を帯びてきた。(林 直史)

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