―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

就職氷河期世代は人生後半戦をどう生き抜くべきか?同世代のひろゆき氏が壮大なテーマに挑む。今回のアドバイスは『「中年からの挑戦」を成功させるには、3つの条件がある』その真意とは?

中年以降が挑戦できるかどうかは、3つの余裕で決まる

ひろゆきが考える、中年以降に「新しいことに挑戦して失敗する人...の画像はこちら >>
 この連載では「氷河期世代は余計なことをせずに守りを重視したほうがいい」と書いておきながら、僕自身は50歳を目前に政治団体の立ち上げに関わるなど、新しい活動を始めています。「言っていることと、やっていることが違うじゃないか」とツッコみたくなる人もいると思います。


 ただ、「ひろゆきみたいに挑戦しよう」と考える人がいたら、それはたぶん失敗します。挑戦できるかどうかは、根性や情熱ではなく、時間、経済、体力の余裕で決まるからです。少なくとも、この3つのうち2つが必要で、逆に2つに余裕があれば、残り1つが足りなくても、ある程度はカバーできます。

 お金がなくても時間と体力があれば、自分で手を動かして支出を抑えられます。時間がなくてもお金と体力があれば、人に頼んだり、便利な道具を使ったりできます。体力が足りなくても、時間とお金があれば、無理のないペースで進めたり、作業を人に任せたりできます。逆に、1つしか余裕がない状態で始めると、その1つを使い切ったところで詰みます。

 と、ここまでは一般論なのですが、そもそもなぜ余裕が必要なのかは、あまり語られていません。それは、何かを成功させるには、努力すること以上に「待つこと」が重要になってくるからです。

余裕がない人ほど、ダメな時に焦って動く

 何かを成功させるにはタイミングはとても大事です。市場が広がるのを待ったり、協力者が現れるのを待ったり。はたまた、自分の能力が追いついたり、時流が来るのを待ったり。
要するに、成功する確率が上がるのと時流などのタイミングが合うまで待つ必要があるのですね。

 例えば’06年に日本で始まった定額制音楽配信の「ナップスタージャパン」。当時はスマートフォンが普及する前で、楽曲の許諾やシステムへの投資負担が大きく事業を継続するのが難しくなり、’10年にサービスを終了しました。

 ところが、その後、スマートフォンや高速通信が普及した時代には、SpotifyやApple Musicなど、同じ定額制の音楽配信が大きな市場を築いています。

 優れたアイデアでも、時流が来る前に始まると、先行者が市場の成立を待ち切れず、後から参入した会社が果実を手にすることがあるわけです。

 同様に、お金に余裕がない人はすぐ利益を出さないと生活が詰むし、時間に余裕がない人はチャンスが来ても動けません。余裕がない人ほど、本来は待つべき局面で焦って動き、一番条件の悪いところへ突っ込んでいくわけです。

 余裕があるかどうかの指標は、数字でわかりやすい経済面。毎月の収入から生活コストを引けば、自由に使えるお金がいくらあるかなんて誰でもわかります。時間も1週間の生活を書き出せば、新しいことに何時間使えるのかはだいたいわかります。睡眠を削ったり、今の仕事を雑にして生み出した時間は、余裕ではなく別の場所にツケを回しているだけ。余裕がないなら、最初にやるべきなのは挑戦ではなく、時間や体力の余裕を増やすことなのですよ。


構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

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【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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