ミツカン「金のつぶたれたっぷり!たまご醤油たれ」
納豆市場は、ベーシックなしょうゆたれ以外の「フレーバー系納豆」の構成比が高まっている。伸長するフレーバー系納豆市場に向けて、今春も積極的な商品投入の動きがあり更なる活性化が期待されている。2021年の納豆市場(1~12月)は、総務省の家計調査によれば前年比5.5%減と健康に関する納豆のメディア報道やコロナ禍により需要が拡大した2020年対比では下回った一方、コロナ禍前の2019年実績は上回り、年々高まる健康意識、根強い簡便・即食ニーズから、引き続き注目されている市場だ。市場の伸びと共に納豆の喫食頻度の上昇、ヘビーユーザー化が着実に進み、それに伴って増えつつある定番の味以外を楽しみたいというニーズに応えるのがフレーバー系納豆だ。
全国のスーパー約1,000店舗を対象としたKSP―POSでは、直近3月の納豆売上金額の上位50位以内にフレーバー系納豆の商品は8アイテム入っており、前年同月は5アイテム、前々年同月は4アイテムだった。
同POSデータ売上1位で、ミツカン主力の「金のつぶたれたっぷり!たまご醤油たれ」は、「同商品は毎年、前年比20%増のペースで伸長を続けている。2013年~2020年で売上は約5倍となった」(同社)とし、好調な販売動向を見せている。さらに同社は2022年3月1日から、好評な「たまご醤油たれ」のひきわりタイプ(東海・北陸エリア限定)を新発売し、更なる活性化を図っている。
加えて、「ご飯に合う濃厚タレ」シリーズにおいて昨年、「うなぎ蒲焼タレで食べる旨~い小粒納豆」、「濃厚すき焼タレで食べる旨~い極小粒納豆」を投入しラインアップ拡充を図ったほか、テレビCM「納豆はたれで選ぶ時代へ」を放映するなどフレーバー系納豆に力を入れ、納豆初心者の購入の後押し、ヘビーユーザーの選ぶ楽しさなどに繋がっているもようだ。
〈納豆初心者の購入も後押し、「柿の種」との異色のコラボなど積極的な商品〉
また、フレーバー系納豆を強みとし、同市場をけん引してきたヤマダフーズ(秋田県仙北郡)は2022年3月から、「ひきわり納豆」と「柿の種」という異色のコラボ商品「ザクザクッ!柿の種ひきわり納豆」を新発売した。クランチ状の「柿の種」と「やみつき旨辛オイルたれ」を添付し、おつまみ感覚で食べられ、麺類やパンなどのアレンジメニューにも最適だという。これまで納豆市場にあまり見られなかった「食感で楽しめる納豆」で、20~30代の若年層をターゲットとしている。
【関連記事】柿の種×ひきわり納豆「ザクザクッ!柿の種ひきわり納豆」発売/ヤマダフーズ
ヤマダフーズ「ザクザクッ!柿の種ひきわり納豆」
さらに同社は、カレー粉の別添で楽しむ「スパイシーカレー納豆」をリニューアル発売した。同商品は、21年3月に期間限定発売し同年8月に一度休売したが、再発売を望む消費者の声を受けて、30種類以上のスパイス・ハーブを使用したカレーパウダーを従来品から20%増量し再登場させた。
あづま食品の「おろしだれ納豆」は、発売20周年のロングセラー商品。添付の大根おろしだれはこだわりのおろし方でふんわりとした食感に仕上げ、かつおだしを効かせたたれとブレンドしている。今年3月から、消費者の評価ポイントである「大根おろしでさっぱりおいしく食べられる」点を強調し、爽やかな明るい彩りのパッケージデザインにリニューアルしている。春夏限定商品の「おろしだれ梅納豆」も発売中だ。
タカノフーズは、からしの替わりに山わさびを添付した新商品「やみつき薬味山わさび納豆」を発売した。コロナ禍で増えている「家飲み」需要にも応える。
あづま食品「おろしだれ納豆」
〈大豆油糧日報2022年4月20日〉

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