〈末端需要はスソ物中心、後半下げても小幅にとどまるか〉
6月は東北・関東を中心に出荷頭数が少なく、相対取引で必要な頭数を確保できなかったことから、市場買いが増え、枝肉相場は6月前半と後半には税抜きで700円台後半を付けるまで急騰した。とくに6月4週目は800円を超えるなど、6月としては異例の相場展開となった。しかし、末端需要は5月のゴールデンウィーク明け以降、単価の安いウデ・モモのスソ物やひき材に集中、中部位の荷動きが伸び悩むなど、実需と枝肉相場のかい離が顕著となっている。
[供給見通し]
農水省が6月24日に発表した肉豚出荷予測によると、7月の出荷頭数は、前年同月比4%増の129.4万頭と予測している。7月の出荷頭数としては3年連続で130万頭を割る見込み。また、前年よりも稼働日が2日多いため、1日当たりでは5.9万頭前後とみられる。全国的に昨年の猛暑の影響で出荷頭数が少ないうえに、東北や関東の主産地では疾病もみられる。さらに、湿度の上昇による増体不良などでキャンセルも生じているという。気象庁の季節予報によると、7月の平均気温は、全国で高いとされており、猛暑による肥育豚の発育不良などで、実際の出荷は農水省予想をさらに下回る可能性が高い。
一方、農畜産業振興機構の豚肉需給予測によると、7月のチルド豚肉の輸入量は前年同月比2.1%増の3.1万t、フローズンが同16.9%増の5.2万tとしている。チルドは現地価格高の影響から米国産が減少し、カナダ産、メキシコ産の増加が見込まれること、フローズンは前年の輸入量が少なかった反動とされている。
[需要見通し]
高豚価が続くなかで、肝心の末端需要は振るわない。消費者の生活防衛意識が強まるなか、普段使いの豚肉については、量販店でも店頭売価をなかなか上げることができない状況にある。そのうえ不需要期のため、単価の高いロースなど中部位の売行きが弱く、豚小間や切り落とし、ミンチなど、安い価格帯にシフトしている。首都圏の問屋筋によると、6~7月の量販店など末端への各パーツの納品価格をセットで組み直すと600円台前半にとどまり、枝肉相場とのかい離が深刻化しているようだ。7月もスソ物・ひき材中心の引合いが継続する見通しで、あとはスペアリブなど季節商材が多少動くとみられる。7月4週目以降は学校給食が休みに入るものの、それ以降もスソ物の需要は底堅く推移するとみられる。一方、猛暑が予想されるなかで、一部の量販店では焼肉よりも冷しゃぶを提案する動きもあり、モモだけでなく、ロースなど中部位の需要喚起に期待したいところ。
[価格見通し]
昨年7月の枝肉相場(東京市場)は3週目までは上物税抜きで600円台半ばの水準を維持していたものの、小中学校が夏休みに入った4週目からは600円を割り込んだ。ことしは相対取引で足りない分を市場買いで対応せざるを得ない状況が続いているほか、大貫物も630~650円台の高値を付けている。このため、7月前半は税抜き700円台前半の高値を維持しながら、4週目以降に下げても600円台半ばとなりそうだ。さらに、中物、並との等級間格差も縮小しそうで、月間平均は上物で700円前後、中物で680円前後とみられる。
〈畜産日報2024年7月2日付〉









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