サッポロビールは2023年からヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」を立ち上げた。「つくろう、驚きを、何度でも。」を合言葉に掲げ、ヱビスで100年以上培ってきた技術と知見を活かしながら、これまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦している。
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2023年2月に第1弾「ヱビス ニューオリジン」、同年9月「同 オランジェ」、24年2月「同 シトラスブラン」、4月「同 ジューシーエール」と次々に展開した。そして、この9月10日に登場する第5弾が「同 クリエイティブブリュー 燻(いぶし)」だ。
同社が4月に開業したヱビスブランドの体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO」(恵比寿本社の地下1階、以下、YBT)で連日売り切れになるほど好評だった数量限定ビール「煙々」の知見を活かし、秋冬向けにブラッシュアップした。ブナ材で燻した麦芽を一部採用し、ほのかにスモーキーで香ばしい味わいが特長だ。
YBTは、開業後3カ月を待たずに来場者数10万人を突破した。有友氏は、YBTで醸造を担当するチーフ・エクスペリエンス・ブリュワーでもある。「大盛況に感謝だ。ヱビスというブランド、また恵比寿という街の魅力を実感している。また海外の方も大変多い。恵比寿がますます“ビールの街”になっていけば」と語る。
もともとYBTで得た醸造の知見やユーザーの声をもとに、全国で発売する「CREATIVE BREW」の商品開発に活かしていく考えだが、今回の「燻」はその第1弾となる。「煙々は、私自身、燻製の香りはややクセがあるので、受け入れられるかどうか未知数の部分があった。YBTでは直接接客もしているのだが、ちょっと意外なくらい、人気だった。燻製は、例えばキャンプであるとか、あるいは自家製の燻製を作る人もいる。かなり一般的な味わいになっている」「そこからのインスパイアを得て、CREATIVE BREWは季節感を大切にしていることもあり、秋冬にふさわしい深みのある味わいを目指した」(同)。
いわゆる黒ビールはローストした黒麦芽を使用するが、「燻」は麦芽を燻している。液色も黒ビールまでは黒くない。カラメル麦芽を使用することもあり、アンバー寄りの淡い茶色。香りもローストしたコーヒーのような香りではなく、ベーコンなど食品で感じられる燻製の香りに近い。「キャンプなどのアウトドアで、焚火を見ながら飲むシーンを思い浮かべながら造った」という。
「CREATIVE BREW」の開発で有友氏が心がけていることは。
有友氏はビール&RTD事業部に加えて商品・技術イノベーション部という技術系の商品開発も兼務している。開発からマーケティングまで一気通貫でみているので、会議に出たり、静岡工場に行ったり、階下のYBTに顔を出すなど、忙しい毎日だ。
YBTでは月に一度、新しいビールを提案していく予定だ。頭に描く構想は。「中味ばかりだとレパートリーにいずれ限界がくるかもしれないが、テーマとしてSDGsを取り上げたり、一冊の本や、一本の映画からインスパイアされたビールがあっていいかもしれない。
【有友亮太氏プロフィール】
ありとも・りょうた 38歳。東北大学農学部卒、大学では微生物や発酵に興味を持ってヨーグルトについて研究。2012年サッポロビール入社。北海道工場でビール醸造を担当した後、酒類技術研究所で酵母の研究に取り組む。その後、ドイツへ留学し「ブリューマスター」の資格を取得。帰国後は新商品開発や研究を行う。入社10年目でヱビスブランドの醸造責任者に大抜擢された。
〈酒類飲料日報2024年8月7日付〉









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