UCC上島珈琲は10月9日、水素で焙煎したコーヒーを数量限定で一般発売した。同社の水素焙煎コーヒーは、これまで展示会を中心に試飲などが提供されてきたが、一般販売するのは初めて。
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UCCは、水素を熱源とした焙煎と、これまで培ってきた焙煎ノウハウを組み合わせ、従来の熱源では実現できない“水素焙煎ならではのおいしさ”を創り出すことに成功したという。水素焙煎コーヒーは、2025年4月からレギュラコーヒー製造の主力工場「UCC富士工場」において、世界で初めて大型水素焙煎機で量産し(※)、本格的に販売する計画だ。なお、今回発売する製品は、テスト機で焙煎したものになる。
※水素熱源に対応する形で焙煎機そのものを独自に設計・開発し、継続的に水素焙煎コーヒーを生産・販売するもの。年間キャパシティ3000トン以上。
コーヒーの焙煎は、コーヒー特有の味覚や香りを引き出すために、微妙な火力調整により焙煎温度をコントロールすることが重要という。水素は地球上で最も軽く、空気中に飛散しやすいなど取り扱いの難しさが水素焙煎の課題のひとつだった。UCCグループは焙煎技術に強みを持っており、それを活かすことで2023年に水素混焼バーナーを使用した焙煎装置を開発し、特許出願をした。この焙煎機を用いて、安定的に製造することが可能になるという。
今回販売する水素焙煎コーヒーについて、UCCは、「コーヒー豆の種類(産地)によって、水素焙煎で引き出せる特性は異なります。
イルガチェフェ地方産コーヒーは、エチオピアらしい華やかな風味が印象的なコーヒーだが、水素焙煎ではオレンジの花のようなフローラルな香り、完熟したベリー系のフルーティな味わいを引き出し、加えて、チョコレートのようなコクと甘さを感じられる仕上がりになったという。
同社はスペシャルティコーヒーの展示会「SCAJ」(10月9日~10月12日、東京ビックサイト)でも水素焙煎コーヒーを紹介。ブースでは、通常に焙煎したコーヒーとの飲み比べや、UCCグループの抽出競技会チャンピオンたちによる水素焙煎コーヒーを使ったアレンジしたアイスコーヒーなどの実演を行い、水素焙煎の“おいしい、しかも環境にいい”ことをアピールした。









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