マルエツ(東京都豊島区)は5月30日、東京都世田谷区で「マルエツ 千歳船橋店」をオープンした。同社で308店舗目、東京都152店舗目、世田谷区4店舗となる。
小田急小田原線「千歳船橋駅」から北側約70mに位置しており、徒歩1分という好立地。 通勤通学の利用も多い場所だが、周辺に事業所や低層マンション、戸建て住宅が建ち並ぶ住宅地となっている。
近隣に競合店舗もあるが、生鮮食品の品揃えに加えてカートショッピングができる通路幅にし、買い回りの良い店舗を意識して他店との差別化を図る。
建物は地上3階建のオフィスビルの1・2階部分に入居している。売場面積は283坪で、売上目標は18億5000万円を予定する。
500m圏内の商圏特性を見ると、人口は16032人、世帯数は8536世帯で、世帯平均人員は1.88人となっている。世帯数は今年、前年比1.2%増と増加しているという。また、世田谷区全体と比較すると単身世帯が52.8%、2人世帯が22.1%で、単身世帯・2人世帯が多く、年齢層は20~39歳が1.3ポイント高く、0~19歳、40~64歳、65歳以上がそれぞれ0.1ポイント、0.4ポイント、0.8ポイント低く、現役世代が多くなっている。
同店では「鮮度」「商品との出会い」「多様な買い物体験」「繋がり」という4つの価値を提供するとしており、毎日の食卓に欠かせない新鮮な生鮮食品や、デリカに力を入れる。新店だからこそ、自信をもって顧客に勧めたい商品も展開していく。
商品を積極的に発信している中で、生鮮鮮魚にも力を入れている。先日メディアにも取り上げられ好評だった鮮魚寿司「大名さば」は店内製造でネタの鮮度や製法にこだわっている。
精肉では、同社オリジナルブランド「優夢牛」の中でも、肉質の良い雌牛だけを取り揃えた「優夢牛セレクト」を定番化するなど、牛焼肉商品の品揃えを強化した。

マルエツ 千歳船橋店 寿司売場
戦略商品として発売した「2層のとろけるクリームパン」は10日で6万個を売るヒット商品となった。店舗でクリームを入れるひと手間があるが、なめらかなカスタードホイップとカスタードクリームがトロトロと溢れ出すご褒美クリームパン。従業員のやってみたいという意思と店舗従業員の協力を得て、実現した商品だという。専用の箱も用意し、手土産にも対応できるようにしている。

マルエツ千歳船橋店 ヒット商品となったクリームパン
売上を上げるために、この2年間「客数」が少ないという点に焦点を当てて取り組んできており、「価格」の見直しにも取り組んだ。トップバリュベストプライスの商品を昨年の2倍以上に増やすなど、顧客の要望に応えるようグループのプライベートブランドにも力を入れている。
即食型商品については、部門を超えて惣菜売場で集合展開する。惣菜ではロングセラー弁当である厚切り鮭弁当をリニューアルし、お手頃価格の小さいサイズも展開する。
「真にお客様のため」という視点を大事に、売場の商品展開も工夫する。
なお、取り扱いアイテム数は合計9030SKU、内訳は精肉320(売上構成比計画12%)、青果360(同15%)、鮮魚280(同10%)、惣菜250(同17%)、日配2000(同20%)、酒・タバコ含む一般食品4900(同19%・酒タバコ同5%)、生活用品920(同2%)を計画する。
運営では、去年初めて通年採用の人数が多くなったことを機に、働き方を変え、精度の見直しを行った。
業務のスリム化やペーパーレスも進めており、従業員の職場環境もリニューアルしていく。また店舗の業務を集中させ、生産性と競争力を引き上げる予定だ。
本間正治社長は「より付加価値のある商売をするために、生産性を上げ店舗数を増やし、もっと成長していきたい」と語った。
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