キリンビバレッジは6月17日、独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した子ども専用の健康飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を発売する。子どもが見て魅力的に感じるデザインを目指し、小学館「コロコロコミック」編集部とキャラクターを共同開発。
健康を「楽しく続けられる習慣」に変えていく新たなアプローチだ。

キリンが「プラズマ乳酸菌」を配合した子ども専用飲料を展開するのは初めて。新商品は、本州(東北除く)と四国エリアのイオングループなど、一部量販企業限定で販売する。

飲料1本(125ml)には、子ども1日分の目安量とされるプラズマ乳酸菌500億個と鉄分1.5mgを配合。ヨーグルト風味で、常温保存も可能な3本パック(税込324円)。共働き世帯の増加や健康意識の高まりを背景に、手軽に取り入れられる健康習慣として提案する。

今回の開発には、およそ2年の期間が費やされた。味や栄養設計だけでなく、子どもにとって魅力的なパッケージとは何かを一から検討。社内の子育て世代の社員からも声を集め、実際に社員の子どもたちによる試飲や反応のヒアリングなどを繰り返しながら、丁寧に形にしていったという。
キリンビバレッジ、子ども専用の健康飲料「つよいぞ!ムテキッズ」発売 “飲みたい気持ち”から育てる健康習慣
「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を紹介するマーケティング部長の鈴木さん(左)と遠藤さん(右)
「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を紹介するマーケティング部長の鈴木さん(左)と遠藤さん(右)
新商品を担当した同社マーケティング部ブランド担当の遠藤楓さんも3歳の子どもを育てる親のひとりだ。遠藤さんは16日に開かれた商品発表会で次のように語った。「親が“飲ませたい”と思う健康飲料はあっても、子どもが自分から“飲みたい”と思えるものは少ない」と実感を込める。
「子どもが楽しみにしていた予定に体調不良で行けなくなると、親としてどうしても切ない気持ちになる。そんな時こそ、日常的に健康を支えられる飲み物があったら、という思いから開発に取り組んだ」。

その視点を形にするために協力を仰いだのが、小学館「コロコロコミック」編集部だ。子どもの感性を知り尽くした編集部とともに、「ムテキッズ」というキャラクターを開発。パッケージや漫画連載での展開も含め、子どもが思わず「これ、ほしい!」と手に取りたくなる設計にこだわった。

飲料市場は、どうしても人口構成比の多い40~50代を主なターゲットにした商品が多い。そうしたなかで、子ども専用の健康飲料をここまで本格的に開発する取り組みは業界でも珍しい。キリンビバレッジは、この商品を皮切りに、幼少期から健康習慣を当たり前として根づかせることを目指す。

この商品は、グループ全体で始動した「キリンキッズケア」プロジェクトの一環として位置づけられており、保育園や小学校での啓発活動とも連動している。すでに全国2,000超の施設でサンプリングや特別授業が行われており、子どもたち自身が楽しみながら健康を考える機会が広がりつつある。
キリンビバレッジ、子ども専用の健康飲料「つよいぞ!ムテキッズ」発売 “飲みたい気持ち”から育てる健康習慣
6月16日には、体操のお兄さん・小林よしひささんが手遊びや体操を教える親子セミナーに参加した
6月16日には、体操のお兄さん・小林よしひささんが手遊びや体操を教える親子セミナーに参加した
16日には、有明ガーデン(東京都江東区)で未就学児向けセミナーとして「ムテキッズ」が登場する紙芝居の読み聞かせを行ったほか、キリンビバレッジ首都圏アンバサダーでもある、体操のお兄さん・小林よしひささんが手遊びや体操を行った。

キリンビバレッジ執行役員マーケティング部長の鈴木郁真さんは次のように語る。
「飲み物は、すべての世代に寄り添えるもの。子どもが自然と健康を習慣にし、それが大人になっても続く社会をつくっていきたい。免疫ケアを“特別なこと”ではなく、日常の中に溶け込んだ行動にしていくことが理想です」。

同社は今後5~7年かけて、「ムテキッズ」を中心に子ども向け飲料市場(100億円規模)でナンバーワンを目指している。楽しさと機能性を両立させたこの新しい試みで、家庭の中の“健康の当たり前”を変えていく考えだ。
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