セブン‐イレブン・ジャパンは、8月に向けて「冷たい麺」の商品開発を進め、地域ごとの嗜好に合わせた商品を展開する。
8月1日に、本社で説明会を開き、商品本部地区MD統括部の鷲野博昭統括マネジャーらが説明した。
昨今の米の高騰の影響もあり、「調理麺」の中食市場は1兆円超規模へと拡大(日本惣菜協会調査)、コロナ前の2019年から5年で47%増加している。うどんにおいては、セルフ式専門店も活況で伸長している。

セブン-イレブン・ジャパンの鷲野統括マネジャー(左)とニッセーデリカ開発部製麺開発室佐々木副室長
同社では、日本各地の地域ごとに親しまれている味わいや食文化を商品に活かすため、全国を10のエリアに分け、26の製麺工場で供給。地域に根差した商品開発を進めている。最大の強みは自社製麺で、毎日毎便できたてを配送。国産小麦粉を使用し、小麦本来の香りや甘みを活かしている。
2015年からメーカーと共同で「製麺スペシャリスト」の育成もスタート。製麺に関わる知識・官能・技能の試験をクリアした者が与えられる資格で、現在は全国26工場に34人が配属されている。
国産穀物類の取り組みも実施している。国産小麦商品は、各地で開発・生産を進めており、国産原材料の継続使用と商品連携を行う。
北関東地区の「冷しぶっかけひもかわ 群馬県産小麦使用麺」は群馬県発祥の郷土料理を再現する。もっちりとした幅広麺が特長で、具材に天ぷらなどをのせている。
2003年に採用した群馬県産小麦粉は当初50トンから直近の2023年には720トンに拡大。年間を通じて商品開発と連動することで使用量の安定化を図り、地域貢献にもつなげている。
現在では北海道産そば粉や佐賀県産小麦「さちかおり」など使用する国産穀物原料を広げ、2020年にはカップ麺も国産小麦を100%使用している。
北海道地区では、「こんぶの森」など地域活動を手掛けるWMI(北海道北広島市、伊藤慶子代表)と取り組み、「冷たい函館塩ラーメン(函館真昆布使用)」の販売を通じて、藻上再生をバックアップする。

各地区の商品
麺商品は地域の特色が出やすく、特に関西や西日本では、地区商品が調理麺の4割ほどにのぼるという。
鷲野統括マネジャーは「冷たい麺はまだ伸びる市場。2ケタ伸長を目指していきたい」と語った。
編集部おすすめ