UCCジャパンは、小学校高学年と保護者を対象に、夏休み特別セミナー「コーヒーとSDGs for キッズ」を7月末から8月にかけて東京と神戸で計9回開催している。
2025年は、世界初の大型水素焙煎機によるコーヒー製造の紹介に加え、川崎重工業をゲストに迎えて水素エネルギーの魅力や活用法を解説。
両社の知見を掛け合わせ、楽しみながら環境問題と未来のエネルギーについて学べる内容とした。
セミナーは、UCCグループ東京本部(東京都港区、5回開催)と神戸本社(兵庫県神戸市、4回)で行われ、所要時間は約1時間。対象は小学校4~6年生と保護者で、参加費は無料。7月8日から先着順で申し込みを受け付けた。第1回目は7月29日に東京本部で開催された。
講師は、UCCジャパン サステナビリティ推進室の願能千瑛さんと、川崎重工業 水素戦略本部の黒田梨紗子さんが務めた。

UCCは「コーヒーってどんな飲み物?」といった導入から、「将来、もしかしたらコーヒーが飲めなくなるかも?」という地球温暖化の課題を紹介
プログラムは「コーヒーってどんな飲み物?」「コーヒーが手元に届くまで」「SDGsとは?」といった導入から始まり、「将来、もしかしたらコーヒーが飲めなくなるかも?」などの環境課題をクイズ形式で学ぶ。
さらに、UCCが新たに取り組んでいる「水素焙煎コーヒー」の解説と、川崎重工による「そもそも水素とは?なぜ今注目されているのか」といった内容が紹介された。
UCCは2025年4月、静岡県の富士工場に大型水素焙煎機を導入し、世界で初めて水素焙煎コーヒーの量産化に成功。山梨県産のグリーン水素を使い、CO2排出を削減しながら火力調整の精度向上による味の追求も可能にした。この技術を初めて小学生に紹介する機会となる。

水素エネルギーで車の模型が動く体験も
川崎重工は、水素の製造から輸送・貯蔵、車両や発電への活用までをわかりやすく説明。
水素カーの実演も行い、子どもたちは興味深そうに見入った。
第1回目のセミナーを終えて、UCCの願能さんは「水素は子どもにとって難しいテーマですが、川崎重工の解説と組み合わせることで意義をわかりやすく伝えられました」とコメント。
川崎重工の黒田さんも「コーヒーという身近な題材と結びつけることで、水素がグッとイメージしやすくなるのがいいですね」と語った。また、両社は「一社だけでは難しいテーマを補完し合えるのがコラボの強みです」と口をそろえた。
セミナーでは、復刻版「UCCミルクコーヒー」の試飲や、ミルクコーヒー缶の色当てクイズ、SDGsの紹介など、親子で楽しめる工夫を随所に盛り込んだ。UCCは「初めてのコーヒー体験とともに、環境に優しい技術への理解を深めるきっかけにしてもらえたら」としている。
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