伊藤園は9月22日、「お~いお茶」ブランドから新フレーバー「LEMON GREEN(レモングリーン)」(600mlPET)を日本と米国で同時発売する。国内では同日、「YUZU HOJI(ユズホウジ)」(600mlPET/ティーバッグ6袋)も期間限定で販売する。
無糖を軸に〝香りで広げる日本茶〟を掲げ、若年・女性層など新規ユーザー獲得を狙う。

緑茶飲料市場は拡大が続き、2025年は過去最高を更新し4960億円に達する見込み。ただ、購入層は「男性・50代以上が約6割」と偏りがある。同社によれば、フレーバー系の茶系飲料はジャスミンやコーンなど近年急伸している。また、国内のゆずフレーバー市場は過去5年で5割増と伸長しており、香り系需要の拡大が背景にある。

伊藤園はこうした潮流を踏まえ、今年3月に立ち上げた「お~いお茶 PURE」シリーズから、新たに「PURE GREEN」「LEMON GREEN」を展開し、今秋にリニューアル。新たに「YUZU HOJI」も投入した。後味のすっきりさと爽やかな香りが楽しめる設計により、新規層へ訴求している。
伊藤園「お~いお茶 LEMON GREEN」日米同時発売、若年・女性層に訴求し浸透図る
「お~いお茶 LEMON GREEN」を紹介する小城部長(左)と吉田マネジャー
「お~いお茶 LEMON GREEN」を紹介する小城部長(左)と吉田マネジャー
同社は9月11日に都内で発表会を開き、会見で登壇したマーケティング本部緑茶ブランドグループの吉田達也ブランドマネジャーは、「従来の日本茶飲料のユーザーは年齢が高めの男性が多かったが、3月に発売したLEMON GREENは、若い女性の支持を広げている」と説明。

発売半年でシリーズは累計5000万本と計画比2倍ペースで推移し、「『お茶の常識、すてましょう。』を合言葉に、香りで新しい無糖緑茶の楽しみ方を提案する。さらに、若年層が利用する業態や販路での展開を強化していきたい」と話した。


米国展開については、国際事業部推進部の小城真部長が「アメリカや海外では甘い紅茶や加糖茶が主流で、無糖緑茶を根付かせるのは難しい。しかし、レモンは世界共通で親和性の高いフレーバー。LEMON GREENなら入口を広げるチャンスがある」と説明。

そして、「日本と米国では味わいを少し変えており、米国版は香りを強めている。LEMON GREENを浸透させ、それをきっかけに『お~いお茶』本体の飲用につなげたい」と話した。
伊藤園「お~いお茶 LEMON GREEN」日米同時発売、若年・女性層に訴求し浸透図る
2025年7月に行われたMLBオールスターゲームの会場で「LEMON GREEN」の先行試飲会を実施
2025年7月に行われたMLBオールスターゲームの会場で「LEMON GREEN」の先行試飲会を実施
昨年11月には、大谷翔平選手がCM撮影時にLEMON GREENを試飲し、「これは米国でもいける」と太鼓判を押したという。7月のMLBオールスター会場での試飲調査でも9割超が高評価を示しており、日米同時展開に踏み切った。

一方、国内向けに発売する「お~いお茶 YUZU HOJI」は、強焙煎ほうじ茶に国産ゆずの香りを合わせた秋冬限定商品。吉田氏は「柚子は海外でも注目されるフレーバー。自然な香りを生かし、香り系市場をさらに広げたい」とした。

伊藤園は「お~いお茶PURE」シリーズの今期販売目標を500万ケースに上方修正。吉田氏は「業界でも久々の大きなヒット。
ブランドを大切に育て、早期に1000万ケースを目指す」と語った。
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