デイブレイクは9月19日、冷凍寿司を体感できる特別販売イベントを東京・有楽町で行った。冷凍寿司はまだ広く認知されている商品ではなく、市場としては小さい。
しかし、世界の寿司レストラン市場の規模は2024年に日本円で約1兆4,000億円とも言われており、冷凍寿司も、本格的な日本の寿司を味わえる商品として広がる可能性がある。イベントでは、冷凍寿司を手掛ける5社の商品を通じて、冷凍寿司の魅力を伝える場となった。

デイブレイクは2025年6月から、米国の日系スーパー「ミツワマーケットプレイス」の一部店舗で冷凍寿司の販売を開始した。米国の小売店で定番商品として導入されたのは初めて。米国での販売基準「冷蔵解凍後も品質を維持できる冷凍寿司」という条件を満たし、コールドチェーンなども構築することで、安定した品質の商品を供給できるようにした。また、ハワイでの販売も開始し、「ミツワマーケットプレイス」では5店舗で導入されたという。

9月19日のイベントには、デイブレイクのほか、「江戸前寿司ちかなり」「鮨 銀座おのでら」「金沢まいもん寿司」「ちよだ鮨」が参加した。
冷凍寿司の更なる普及目指す、体験イベントには「銀座おのでら」など参加/デイブレイク
イベントでは冷凍寿司を手掛ける5社が魅力を発信
イベントでは冷凍寿司を手掛ける5社が魅力を発信
「江戸前寿司ちかなり」は、食べたいときにすぐ食べられる寿司としてオンライン販売を手掛けており、レンジと冷蔵での解凍に対応している。現在はホテルや小売への業務用卸にも取り組んでいる。

「鮨 銀座おのでら」は、今年4月に冷凍寿司の研究開発などを行う施設を茨城県内に設置して展開を本格的に行っている。専用の解凍容器を使った流水回答の商品をオンラインストアで販売しているほか、ホテルや小売への卸売業も進めている。

「金沢まいもん寿司」は、コロナ禍に店舗以外の売上を確保すべく、冷凍寿司の展開を開始し、自社オンラインストアに加えて高級百貨店のギフトとしても展開している。
冷蔵解凍に対応した冷凍寿司も開発し、米国・台湾・ウズベキスタンでのテスト販売も行っている。

「ちよだ鮨」では、海外輸出を視野に冷凍寿司の展開を開始し、米国でのテストマーケティングでは高い評価を得たという。冷凍寿司を製造する工場を新設し、展開を本格化させる。

冷凍寿司の現状について、デイブレイクの片山良宏副社長は「米国の超大手の量販店やスーパーで、今まで各店舗で握っていた寿司を、人手不足やフードロスなどの観点から、冷凍のシャリや冷凍寿司を活用する店舗が増えていて、実際に引き合いも来ている。将来的にはホテルなどで冷凍寿司に切り替えるところもあるだろう」と話す。

飲食店では寿司の市場が拡大している一方、職人不足に悩むところもある。そのため、冷凍寿司が人手不足などを補いつつ、本格的な味を提供できる商品として広がる可能性は高い。今後はコールドチェーンの整備なども進めながら、販路の拡大を図る。

片山副社長は「日本の寿司を広げるという点でも意味のある取り組みだと考えている。冷凍寿司を各社と共に盛り上げたい」と力を込めた。
冷凍寿司の更なる普及目指す、体験イベントには「銀座おのでら」など参加/デイブレイク
冷凍寿司を体感できる特別販売イベントの様子
冷凍寿司を体感できる特別販売イベントの様子
〈冷食日報2025年9月22日付〉
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