今年20回目の開催となるラーメン産業展in japanが25日~26日の2日間、東京ビッグサイト東4・5・6ホールで開かれた。同イベントは国内最大級のラーメン業界専門商談展示会で、全760件の企業が出展しており、麺・製粉・スープ・調味料・トッピング・製麺機など多くの商材が展示される。
第20回開催記念特別セミナーやラーメンコンペティション日本2025の試食会など、さまざまな企画も併せて行われた。
〈日清製粉 ゆめちから・春よ恋で作った麺の食べ比べを実施〉
日清製粉のブースでは国内産小麦の紹介として、北海道産の「ゆめちから・春よ恋」を使用した小麦粉で作った麺の食べ比べがメインの展示となった。元は簡素なアルファベットと数字の名前だった小麦粉を2025年4月にリニューアルし、名前とパッケージがキャッチーで華やかなものへ変更された。「RH-2」は「ゆめ舞華」へ、「PY-2」は「ゆめ穂まれ」へ、「KZ-2」は「春ごこち」へとリニューアルされた。
麺は食感がわかりやすいようにつけ麺の状態で提供され、それぞれの特徴がわかりやすいように工夫されている。ゆめちからを使用した「ゆめ舞華」と「ゆめ穂まれ」はそれぞれつるつる感ともちもち感が、春よ恋を使用した「春ごこち」はやわらかめの食感が特徴。
〈日東富士製粉 食感がふわもちになる「もちきらり」をアピール〉
日東富士製粉は食感がふわもちになる小麦粉として、「もちきらり」を特にアピールした。他社で作られるもちっとした食感の小麦粉は国産の「もち姫」などが使われることが多いが、収穫量が少ないため出荷制限などがかかることがあるという。そこで日東富士ではアメリカの農家と契約をし、もち小麦粉を生産することにした。
この「もちきらり」は2024年の展示会で展示する際にこの名前がついたことで一気に注目を浴び、引き合いが増えた。麺を作る際に2~3割ほど混ぜるだけでもちもち感が一気にアップするという。試食ではその食感を味わってもらうため、あえて100%「もちきらり」で作った麺を提供している。
その他デュラム小麦をブレンドした「金富士」などの麺を試食することができる。金富士は日東富士が100周年の際に作った商品で、当時はあまり注目されなかったが、111周年目の今年ブレンド内容をリニューアルして生まれ変わった。
以前は粗いセモリナが混ぜられていたが、今回のリニューアルでは細かいフラワータイプを混ぜた。

第20回ラーメン産業展in Japan 日東富士製粉のブース
〈山本忠信商店 農業の魅力を若者に訴求〉
山本忠信商店(北海道、山本英明代表取締役)は「未来のために」をテーマに「みのりちから」をメインの展示にしながら、生産者と消費者をつなぐ活動をしていることを紹介した。若い人に農業の良さを伝えたい、という思いを持って作られたイメージイラストをポストカードにして配布。生産者が社会参加に対する意識を持つことで、やる気や生きがいにつながるようにしたいという思いで、夏の収穫期に産地へ消費者を呼び、そこで生産者と引き合わせることで、消費者の声が直接生産者に届くようにするといった活動もしている。

第20回ラーメン産業展in Japan 山本忠信商店のポストカード
全麺連(全国製麺共同組合連合会)は、今年のラーメンコンペティションで品評された商品の展示と、2024年度の受賞商品の試食会を行った。試食会の麺はおよそ1時間ごとに区切って提供され、1種類につき100食、2日間で計800食を出した。中には早めになくなる商品もあり、試食会は盛況だという。スープは東京都製麺協同組合が提供したもので、麺を開発した企業とは別となる。今年度のコンペティションの結果は11月5日の「第65回全国製麺業者長崎大会」式典内で表彰式が行われる。
〈米麦日報2025年9月29日付〉
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