今回はテーマを「日本の発酵技術を世界へ~麹菌と固体培養の本質に触れ、発酵が拓くみらいを考える~」とし、基調講演では、米国におけるしょうゆの高級市場で34%のシェアを持つSAN-J International,Inc.(サンジェイ)の佐藤隆社長が「海外における麹発酵の用途拡大」をテーマに、東大大学院の丸山潤一教授がゲノムの観点から個体培養についてそれぞれ話した。
開会あいさつで岡山大学の那須保友学長は今回のテーマについて、「私もずっと発酵の技術を世界へと思っているが、2点あると思っている。食料としての発酵と、それ以外の部分での発酵だ」と述べた。食品については、「決して日本に留まることなく、世界に羽ばたいて世界をリードしていくポテンシャルがあるが、まだいま一つだ」と問題提起した。
サンジェイの「TAMARI MANIAC」(たまりしょうゆマニアックの意)とデザインされた帽子や、自身が365日身に着けていることで学生から学長と認識されるという蝶ネクタイを例に、「やはりこういったブランドを作っていくことが非常に重要だ。発酵を日本に留まることなく、世界に広めたい。海外の人たちはその良さに気がつき始めている。追い抜かれる前に、日本が発酵の技術を世界に示していけることを確信している」と強調した。
〈日本独自の発酵バリューチェーンの強みを再認識、海外に向けてさらに発展〉
続いて藤原副社長が今回のシンポジウムの内容について、「オンライン視聴を合わせて500人を超える申込があり、年々盛り上がっていることを大変嬉しく思っている。今回は海外がテーマということで、この日本の発酵技術を世界にどんどん発信をしていくいい機会になればと思っている。世界で活躍されているサンジェイの佐藤社長に、海外で発酵食品がどう受け止められているかリアルな話、そして課題についても触れてもらう。
具体的には、「大学や研究機関で日本には多くの微生物の研究をしているアカデミアの先生がおり、麹菌や酵母の機能研究や育種、発酵プロセスの解析を行っている。さらには信頼できる種菌の供給を種麹メーカーが行ってくれており、フジワラテクノアートも生産性と再現性を担保する醸造設備をさまざまな顧客に提供している。さらにはサンジェイをはじめ、日本酒、焼酎、みそ、焼酎、しょうゆ、みりん、甘酒、納豆など多くの日本の醸造食品メーカーが、人の技とテクノロジーが融合した発酵プロセスの管理、市場開拓をするためのマーケティングに力を注いできた」と説明した。
その上で、「こういった日本独自の発酵バリューチェーン、日本の発酵産業を支える見えないインフラがしっかりしていること、偶然や伝統だけではなく、科学と技術に裏打ちされたというところが日本の強みで、だからこそ安全高品質な製品づくりが提供できている。これを当たり前と思わず、今回のシンポジウムでいま一度われわれの強みだということを認識しながら、海外に向けてさらに発展していくためには、まだまだ多くある課題をどう乗り越え、オールジャパンでさらに発展していくかについて話しができれば」と呼びかけた。
〈大豆油糧日報2025年11月5日付〉









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