JA全農と相模屋食料は2月18日、国産大豆流通における共同の新たな物流スキームを構築すると発表した。国産大豆を、産地から消費地に近い中継倉庫へ輸送・保管し、メーカーの要望に応じて中継倉庫からメーカーへ二次輸送する。
これらを一体的な物流スキームとして構築する。国産大豆の産地倉庫における収容力不足という喫緊の課題解消に向けた取り組みとなる。同日、都内で開いた会見で、相模屋食料の鳥越淳司社長とJA全農麦類農産部の石澤孝和部長が説明した。
中継倉庫を活用して国産大豆の産地倉庫の収容力不足を解消へ【JA全農・相模屋食料】
石澤部長
石澤部長
その第一歩として現在、相模屋食料が使用する原料大豆を、全農グループ(全農、全農物流、全農食品)が個別ロットごとに関東圏内の倉庫へ輸送・保管しているという。その倉庫では、相模屋食料群馬工場と三和豆水庵工場への輸送を実施する。新年度から本格始動し、数百~1,000tを輸送する。将来的には相模屋グループの関西圏まで範囲を拡大する。

全農は、国産大豆の生産量の約8割となる18万5,000t(6年産)を取り扱っている。相模屋食料は、そのうちの約1割を使用し、豆腐製造での国産大豆取扱い実績が全国1位となっている。同社が全国各地に工場を所有する強みを活かし、エリアや機能を段階的に増やしていく。2027年以降には、豆腐に限らず大豆加工品業界全体に、同物流スキームを水平展開できるよう進めていく。

取り組みに至った具体的な背景について、国産大豆は収穫後、生産量のうち大半を産地倉庫で保管するが、米・麦・大豆を取り扱う産地を中心に、産地倉庫の収容力不足が大きな課題となっている。
米・麦・大豆が同じ倉庫に保管されているため、例えば米の作付けが増加することによって、大豆を倉庫に保管できなくなる可能性が指摘されている。特に収量が多い北海道では、収容力不足の問題が深刻化している。また、昨今の物流問題を背景に、輸送手配の困難化や、輸送コストの増加が想定され、メーカーの製造計画の遅れや、商品の配送遅延などの支障が生じる懸念もあるという。今回のスキームを導入することで、円滑な輸送やコスト削減が期待できる。

○国産大豆の使用量が年に約1,000tベースで増加、地豆腐の成功事例を作る


相模屋食料では、経営危機に陥った各地の豆腐メーカーをグループ会社として迎えて再建することに力を入れており、地豆腐を国産大豆で作りたいとの想いから、国産大豆の使用量が年に約1,000tのペースで増加しているという。
中継倉庫を活用して国産大豆の産地倉庫の収容力不足を解消へ【JA全農・相模屋食料】
国産大豆における消費地保管倉庫を起点とした物流スキームの将来像
国産大豆における消費地保管倉庫を起点とした物流スキームの将来像
鳥越社長は、「国産大豆をいかに調達するかが課題だった。500~1,000t単位の国産大豆をすぐには買えない。新たなルートが必要になったのが取り組みに至った経緯だ」と語った。なお、輸入大豆を含めた大豆使用量は年間約6万2,000tとしている。

現在、小ロットでトライアルしており、北海道の倉庫に保管されている産地大豆をJA全農が選別して中継倉庫に運んできている。中継倉庫は既存の倉庫を使用する。

「町の豆腐店も含めた全ての豆腐メーカーが、中継倉庫に行けば国産大豆が手に入る状態にしたい。
国産大豆を使う機運を高めることも大事だ。今はどちらかというと、(国産大豆の使用意向が)薄い業界だと思う。国産大豆を使用した地豆腐の成功事例を作ることで、その機運を高めたい」と述べる。

〈大豆油糧日報2026年 2月20日付〉
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